• Sensuous City 官能都市金沢 ひとと風景がアートになるまち

    LIFEL HOMES総研 所長 島原万丈さんを
    講師に迎え、
    オーダーシャツ専門店 金港堂 宮谷社長、
    かざりごと代表 高橋勇太さんを
    パネリストに迎えて開催した、
    まちづくりのシンポジウム。
    企画運営、主催は WORDROBEが行いました。

    このイベントで皆さんにお渡ししたかったものは、

    たった一つの問いでした。

    その問いとは、
    この街の印象を高める “人の存在” ってなんだろう
    街の印象を高める、、、というと、
    美しい建造物や、町並みを思い出し、
    建築、行政、商業、アートなどに関わる職業の方々に
    その役目を委ねてしまいがちですが、
    『 街の印象 』をつくる一番重要な要素は、
    まちの構成員である私たち個人個人の
    在り方ではないかと、
    WORDROBEは仮説をたてました。
    私は20年余り、
    アナウンス業に従事してきました。
    そのなかで、
    多くの人が集まる宴席の司会をしました。
    人の集まる場には、
    それぞれに特徴的な印象があります。
    例えば、自動車メーカーの、
    それぞれのお客様の集まりは、
    その車のイメージを雄弁に語る雰囲気が
    確実に存在します。
    つまり、車種のイメージや印象をつくるのは、
    車そのものではなく、それを選ぶ人、乗る人の
    価値観や、ライフスタイル、佇まいといった、
    生き方、あり方であり、
    メーカーにとっての最終的な成果物は、
    モノではなく、ヒトであり、
    ヒトが紡ぎ出す car life なのです。
    それを街づくりに変換してみると、
    『建造物』 や 『町並み』も、大事だけど
    そこに生きる人々の暮らし、
    文化の香り、佇まいこそが、
    最もインパクトのある成果物。
    では、そのまちに生きる私たち個人や企業には、
    なにができるのか?
    この街の魅力を
    “官能”という新しい指標からみつめ、
    無理することなく自然に、
    自分らしく引き受けられる役割を
    考える機会を作ろうと企画しました。
    ジェイン・ジェイコブズが50年前に説いたことが
    現代に符合するように、

    50年後、金沢に暮らす人々が、

    息をするほど自然に、
    Sensuousな在り方を生きていることを
    こころから願います。

  • アポイントのない日の朝の時間

    手巻き時計は一日働いたら休む。

    バッテリーがある限り
    働き続ける時計と比べると
    手間がかかるし不便だけど、
    そんなのんびりした感じが
    生きてるみたいでなんだか可愛い。


    オードリーの小さな洋書と、
    お土産に頂いたゴッホの小さなパズル。

    赤く紅葉した自宅のヤマボウシ。
    今日は雪待ち草の絵に合わせて、
    額縁を作りにいこう。

    熱いミルクティのみながら、
    アポイントのない日の
    ゆったりしたスケジュールを愉しむ晩秋の朝。

  • 創り手の意図をよむ

    金澤文香(かなざわふみこう)を、
    こんなふうにディスプレイして頂いたのは
    初めてでした。

    ステイショナリーの棚に、
    水引一つとガラスボトル、スポイド、
    ドレスカバーと書かれた謎の包み。

    一見、なんだかわからない。

    その、気になる引っ掛かりを
    見るひとに引き起こすことこそが
    ディスプレイの力。
    8つの配色の中から、
    赤&ピンクベージュの水引を
    選ばれたことにも感服至極。
    これは金澤文香を作り上げる際に、
    最後の最後まで悩んで決めた配色でした。

    全体を黄金率の配色でまとめるのは、
    間違いなく美しいけれど、
    洗練され過ぎて物足りない。

    『 金澤らしい躍動感 』
    そのために、
    ほんの少しの “あか抜けなさ” を探求した、
    最後の一つ。大切な配色。

    これを選んでくださったことに感激しました。

    創り手の意図をよむ。

    それは同じ創り手でなければ気づかない
    細やかな機敏。

    #金澤文香
    #かなざわふみこう
    #想いまで香る手紙の所作
    #北青山
    #WORDROBE
    #印象美
    #石川ブランド認定

  • 霜月 印象美な大人の表現力教室

    霜月に選ばれた本たち。
    私は今月の『 & premierm 』の特集から、
    『エレガンス』についての持論を語りました。

    私の考える『エレガントな人』は、
    『簡潔な、自分のことばを持っている人』
    『存在で、空間の質を心地好く高められる人』
    『言葉を使わない会話のできる人』
    いつものとおり、
    1ヶ月の私的な出来事から考えたことを
    参加者一人一人が話し、次々と繋いでいく。
    そこには正解も不正解もなく、
    自分とは違う思考や、経験や、
    とらえる側面や、ことばの選び方、
    表現のしかたを学びあう豊かさがある。
    今月のスイーツは、
    シャインマスカットのファーブルトン。
    ブルターニュ地方の伝統的な焼き菓子だそう。
    カヌレのような食感でおいしいのです✨
    おもてなしの装花は、スプレーマム。
    来月はいよいよ、第一期の修了。
    そして、早めのChristmas party です。

  • インプットとアウトプットのバランス

    学びのインプットは、自分の未熟さや、
    出来てないものにフォーカスするから、
    時には落ち込む。

    質の高い学びであるほど身につかず、
    焦り、惨めになり、自身の在り方にまで
    否定的になることがある。

    一方、学びのアウトプットは、
    自分の持っているものや、
    できていることにフォーカスするから、
    自己重要感がみたされる。

    ささやかでも自分にできることで
    誰かに喜んでいただけたときには、
    生きてきた人生そのものが誇らしく思える。

    インプットとアウトプットのバランスは
    大切だとつくづく思う。

    そして、どちらにも共通するのは、
    簡単に手にはいるものは価値が薄く、

    習熟に時間がかかるもの、
    その人の経験と整合性があるものほど、
    価値が高まる。

    アウトプットで、感謝と喜びに包まれたら、
    インプットで、挑戦する心に火をつけよう。

    赤々とした紅葉の、
    静けさのなかに秘めたパワーを受けとる11月。

  • 心地好い紅葉日和 2018

    金沢21世紀美術館で来週末の
    シンポジウムの打ち合わせをして、
    パティスリーオフクでは、
    黒いちじくのショートケーキ。
    今年の最終販売日にギリギリ間に合いました。
    しかもこれはラスト一個。

    ふらり立ち寄った尾山神社で
    『女みくじ』をひいてみる。


    藩主様から贈られた言葉は『華』

    冬に向かう季節だからこそ、
    穏やかな華やかさで
    周囲を静かに照らす存在でありたいものです。
    今日お会いした人から、
    『遠くからでも一目で小西さんだとわかりましたよ』
    と言われて、
    いつも安定した佇まいと印象でいたい私には、
    とても嬉しい言葉でした。

  • 真逆の分岐点

    セザンヌやミレーといった
    多くの画家が描いているモチーフだからか、

    武骨なフォルムの洋梨は、
    正統派な球を描く和梨よりも
    佇まいが絵になり洒落てみえる不思議。

    真珠で言えば、いびつなバロックパールが、
    お行儀のいい真円の花珠よりも
    洗練していて貴重に感じることにも似ている。

    その程度の差が
    “気持ちよい いびつ加減”であることも大事で、

    その加減や程度は、

    ちょっと変わったひとは面白いけど、
    変わりすぎは厄介だとか、

    女性を評する“小悪魔”と“悪魔”という、
    確実に存在するけど説明のつかない、
    なのに真逆を決定づける分岐点みたいだ

    写真の洋梨は
    国産の新品種 “カリフォルニア“”

    山形生まれなのにカリフォルニア。
    横文字ネームのセンスもまた、
    真逆の分岐点がある(^.^)

  • ことばによる薫陶(くんとう) ~長田 弘

    ■ ことばによる薫陶(くんとう) ■

    世界はうつくしいと ~ 詩人・長田 弘

    うつくしいものの話をしよう。

    いつからだろう。
    ふと気がつくと、
    うつくしいということばを、
    ためらわず口にすることを、
    誰もしなくなった。

    そうしてわたしたちの会話は貧しくなった。

    うつくしいものをうつくしいと言おう。

    風の匂いはうつくしいと。

    渓谷の石を伝わってゆく流れはうつくしいと。

    午後の草に落ちている雲の影はうつくしいと。

    遠くの低い山並みの静けさはうつくしいと。

    きらめく川辺の光りはうつくしいと。

    おおきな樹のある街の通りはうつくしいと。

    行き交いの、なにげない挨拶はうつくしいと。

    花々があって、奥行きのある路地はうつくしいと。

    雨の日の、家々の屋根の色はうつくしいと。

    太い枝を空いっぱいにひろげる
    晩秋の古寺の、大銀杏はうつくしいと。

    冬がくるまえの、曇り日の、南天の、

    小さな朱い実はうつくしいと。

    コムラサキの、

    実のむらさきはうつくしいと。

    過ぎてゆく季節はうつくしいと。

    きれいに老いてゆく人の姿はうつくしいと。

    一体、ニュースとよばれる日々の破片が、

    わたしたちの歴史と言うようなものだろうか。

    あざやかな毎日こそ、わたしたちの価値だ。

    うつくしいものをうつくしいと言おう。

    幼い猫とあそぶ一刻はうつくしいと。

    シュロの枝を燃やして、灰にして、撒く。

    何ひとつ永遠なんてなく、

    いつかすべて塵にかえるのだから、
    世界はうつくしいと。

    #美しいものを見つける目
    #それこそが財産
    #長田弘
    #世界はうつくしいと
    #みすず書房
    #五感
    #感覚に心が動くこと
    #それが官能
    #艶や色というのはひとつの側面
    #ことばの本質に立ち返ろう
    #SensuousCity
    #官能都市
    #金沢市
    #WORDROBE
    #印象美

  • 香りの印象美 ~ 紳士たちの空間

    東京南青山にあるEDWARDECRUSショップ用の
    空間フレグランスを、代表の木場氏から
    オーダーいただき、先月、納品いたしました。
    まず悩んだのは、
    アロマミストのようなスプレーか、
    デフューザーを使うものか、、、
    いろいろ考えた結果、
    男性でも管理や調整がしやすく、
    インテリアにもなり、
    置いておくだけで香るという特長のある、
    ポプリにすることに決めました。
    一般的にポプリというと、
    ドライフラワーや木の枝、木の実などに
    香りをしみこませて使うイメージがありますが、
    男性にはあまり似合わない気がする。
    そこでフランスのブランド・マドエレンのように
    鉱石など、硬質な自然素材をイメージし、
    今回、セレクトしたのは、フランキンセンスの樹脂。
    オマーン産の上質なものを厳選しました。
    樹脂そのものが蜂蜜のように、
    イエローがかっているため、
    器は、アンバーカラーの
    英国アンティークガラスポットを探しました。
    これならば、蓋の開け閉めで香りの強弱が
    自由にコントロールできます。
    木場氏からリクエストいただいた
    フレグランスのイメージは、
    『 清浄でウッディーな香り 』
    シトラスベースで、程よくスパイシー。
    穏やかで優しい香りです。
    アクセントのフランキンセンスは、
    キリストの誕生を祝い、
    三博士たちが捧げた贈り物のひとつ。
    黄金と並ぶ、高貴で聖なるものであるため、
    今もなお、清浄な祈りの香りでもあります。
    好みの濃度に微調整しながら、
    数滴を樹脂にしみこませながら使います。
    このブレンドオイルの香銘は『雪の香』
    本来、香りのない雪の、
    風景を純白に包み込む無音の静けさや、
    触覚は冷たいのに、
    視覚には温もりを感じる、
    絹の原糸のような
    “白 エクリュ”をイメージした香りを
    調香師のかたに創香していただきました。
    また、雪解け時期の、
    湿った土の香りの懐かしさも内包しています。
    実はこの香り、
    加賀百万石の藩主・前田利家公の
    生誕地や生年月日からホロスコープをつくり、
    守護となる植物を組み合わせています。
    潤沢な財力を、
    武力ではなく芸術文化に投資した、
    加賀百万石の政策もまた、
    “装いの美学”に通じる優雅さではないかと
    考えた次第です。
    ネイルパフュームオイル『Benedictionf』
    水引のカフリンクス『雪のひとひら』に続く、
    金澤コラボレーションの機会をありがとうございます。

  • 古書店 高橋真帆書店の世界

    はるか何百年も昔の
    ヨーロッパをはじめとする、
    その時代に生きた人々の
    息吹が感じられる古書たち。

    今もなお柔らかさの残る羊皮紙の風合いに、
    遥かなる時間の旅を経て出会った奇跡を感じます。

    装丁の美しさに歓喜しながら、
    イベント参加。

    『 夢二が憧れた西洋
    ~19世紀末から20世紀初頭の
    美しい歌曲と美しい本 』

    私は『洋行ようこう』という言葉が
    大好きで、いまだに海外に出掛けることを
    そう表現してしまうのですが、

    夢二が『洋行』に憧れ、
    ヨーロッパの本を開きながら、
    夢見心地で想像を膨らませ
    心酔した気持ちの一端に
    触れるような時間でした。
    お持ち帰りしたスノウドロップ。
    春を待つ “ 雪の雫石 ” の、
    凛としたしなやかさにひとめぼれ。
    @ 石田屋 gamadan