• 無意志的記憶 2019


    「無意志的記憶」とは、
    突然向こうからやってくる記憶のことで、
    知性の働きによって振り返るものではなく、
    感覚を引き金として「もう一度見つけるもの」

    この写真の洋服はすべて、紳士服地で仕立てた服。
    本来、女性は身につけないものに、
    3年前、初めて袖を通したとき、
    忘れていた感覚的記憶が引き起こされ、
    本能的に熱狂してしまいました。

    わたしの祖父は戦前戦後、
    父は高度成長期から平成にかけて、
    金沢で紳士服テーラーを営み、
    兄は銀座の老舗テーラーで、
    30年余り勤めあげた紳士服一家。

    少女時代、威風堂々とした高級紳士服に
    囲まれて暮らしていたけれど、
    ショーウィンドに飾られたそれらは、
    女である私とは無関係のもの。

    そんな過去の寂しさや欠乏が埋められていく、
    得も言われぬ多幸感。

    紳士服地は「仕立て映え」がよく、
    丈夫で、品質が高い。

    働く女性たちが、
    女性らしさを薫らせながら、
    社会で仲間として迎えられる服が作れる。


    私の父は「大量生産・大量消費」
    既製服の波に乗りきれませんでしたが、

    これからはコミュニケーションと
    個性の時代。

    長年愛用できる上質で美しい服を、
    無駄なく必要な量だけ作り、

    個性を活かした美しい洋服を通して、
    日々、美意識を鍛え、
    自己探求する人々が増えたとき、

    まちの景観も、人々の思考も、
    ともに成熟すると信じている。

    印象美コミュニケーションが向かうべき、
    2020年の行方。


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    #印象美コミュニケーション
    #WORDROBE
    #coccinelle.
    #コクシネル
    #紳士服地で仕立てるドレス
    #無意志的記憶
    #プルースト

  • 小西家の歴史的な一日 

    今年一年を振り返る、母娘ふたり食事会。

    香箱ガニのパスタと、
    炭火焼き和牛サーロインステーキという、
    我々のDNAが心底愛する二大好物。

    後期高齢者 母・由美子81才が、
    手加減なしの量のパスタを旺盛に食しながら、
    この一年の体調不良について熱く語る、
    健やかな昼下がり。

    帰りに我が家に立ち寄り、
    お茶をのみながら、ハルモニアさんと
    したたか交流したあと、

    手作りのかぶらずし、味噌、
    作りたての甘糀を包んで母に持たせました。

    これまでは、貰うのが当たり前だった
    家庭の伝統的発酵食材を、
    娘が母に持たせるなんて歴史的な出来事。

    小西家に後世語り継がれる1230事件です。

    そして、母を実家へ送り届け、
    だいこん寿司、お正月のお餅を貰って帰る
    平和な年末。

    「あと何回、母とこんな時間が過ごせるだろう」

    そんなことを考えると、子供のころ、

    「ママがおばあさんになりませんように💧」
    と、神様にお願いしたときと同じ気持ちを思い出す。

    オバサンも、オジサンも、親の前では一生コドモですね。

    #年末の母娘時間
    #生涯コドモ

    @ イル プント
    (Ristorante Il PUNTO 金沢国際ホテル別館)

  • 設定を合わせる

    「今年最後の出逢い」
    「新年最初の出逢い」
    どちらにしましょうか?

    はじめてお目にかかる女性との
    ランチのお約束日時を決める際に、
    メールで訊ねしたところ、

    「今年最後の出逢いがいいです!」

    とのことで、年末最後のアポイントは、
    フリーモデルとして東京~Parisで活躍され、
    今年から金沢に拠点を置かれた真理さんと、
    アシルワードでのランチになりました。

    「今年最後の出逢い」
    という設定を事前に共有すると、


    「お互いにとって大切な1日にしよう」
    というドラマティックな感情が
    双方に生まれます。

    おしゃべりが止まらないランチのあとは、
    大森慶宣さんの個展で作品を鑑賞し、
    中乃波木さんも一緒に記念撮影。

    大森さんのピュアな作品と、
    ご夫妻の穏やかな波動に癒されて、
    まるで教会の礼拝に参加しているような
    平和な気分になりました。

    今日という日のご縁を繋いでくださった
    京都の恩人の似顔絵を大森画伯に
    一筆描して頂く。

    来年も「愉しいこと」を「快く」

    「愉快」に生きていきたいものです。

    つくづく、人生をおもしろくするのは
    「人との出逢い」に他ならない。

    #人生をおもしろく
    #自由に生きる
    #楽しいこととは楽なことではない
    #今年最後の出逢い
    #まりさん身長180センチ
    #わたしだけ縮小加工したみたい @ 片町きらら

  • 海月(くらげ)納め

    今年もあとわずか。

    お昼は、大好きな「海月が雲になる日」へ

    いつも滋養豊かな美味しいお食事と、
    美意識が統合された心地好いしつらえ、
    大好きな人たちと過ごす安堵の時間を
    ありがとうございました。

    金沢文香メンバーと今年を振り返りながら
    愉しく和やかにお食事し、
    お隣のGallery&Atelier Creavaで、
    3人仲良くお揃いで干支の飾り物を購入。

    陶芸家・竹村友里さんの作品で、
    チーズの板に乗ったネズミさんが
    チャーミングなのです。

    お陰様でいい年末を過ごしています。


    ありがとう、ありがとう。
    #タイ料理
    #おいしいを超える価値
    #豊かな年末
    #今年もありがとう
    #昨日は東山で夜中3時までたこ焼きパーティー

  • 永遠の門 ゴッホの見た未来 

    「 どこまでも澄みわたった狂気 」
    シュナーベルによって描かれたゴッホを、
    そんなふうに表現したくなりました。

    30代の若さで生涯の幕をひいた天才画家
    ファン・ゴッホを演じたのは、
    60代の名優ウィリアム・デフォー。

    社会での生き辛い苦悩や、
    南フランスの自然のなかでの光に満ちた解放。

    複雑な感情を持つ人物が、
    泣けるほど魅力的で愛しい存在として
    胸に迫りました。

    心に残ったシーンは、
    普段、何日も風呂に入らず
    家政婦から異臭を指摘されるゴッホが、
    美術館に行くときには正装すること。

    ゴヤ、ベラスケス、ドラクロワといった、
    偉大な芸術家に対しての敬意の現れは、
    牧師の息子として生まれたゴッホの
    人間性の根源を見るようでした。

    年の瀬、2019年最後に観た映画は、
    「芸術家とはどんな存在なのか」
    という問いとともに、 .
    .
    「未来の人々のために生きることとは」
    を考えるものでした。


    #永遠の門
    #ゴッホ
    #上野の森
    #弟タオが病室に訪ねてきたとき
    #狭いベッドの隣で添い寝を求めるシーン
    #信じてくれるひとがこの世に存在する幸せ
    #もう一度ゴッホ展に行きたいな @ シネモンド

  • Try & Errorで上達しよう

    自宅でかぶら寿司を作りました。

    「かぶら寿司」は北陸の冬の味覚で、
    かぶらの中に、鰤や鮭、サバなどの切り身を
    入れて、麹(こうじ)で漬け込んだ高級発酵食。

    世界中に様々な発酵食はありますが、
    植物性と動物性のものを一緒に漬けて、
    新しい旨味のマリアージュを作り出すのは
    「かぶら寿司」だけだとか。

    わたしの大好物のひとつで、
    これまでは、実家から貰うものか、
    お店屋さんで買うものという認識でしたが、

    美人FOODの菊地先生のワークショップに
    今年参加してみて、
    「自分で作れるようになる大切さ」を実感。

    作ってみると、
    シンプルな食材の組み合わせなのに、
    とても手間がかかる。

    食べる日から逆算し、かぶらを塩漬けし、
    魚を塩漬けし、合わせて麹に漬け込む。

    気温によって発酵の速度は変わるので、
    寒い場所に移動させることも必要。

    ああ、食べ物て生きているんだなぁ、、、
    と、改めて気づくのです。

    そしてきっと今年は、
    市販のかぶら寿司を頂くときに、

    かぶらの厚みや、切り込みの入れ方、
    お魚の削ぎ方、麹の味わいなど、
    いろんなところに目が向き、感動し、
    感謝が湧くだろう。

    「家庭ではTry&Errorで上達すればいい」
    という、菊地先生のことばにも、
    errorの多い私は励まされました。

    一方で、「石黒種麹店」で使用している
    立派な白かぶらと、かぶら寿司専用甘酒という
    最高の材料を用意してくださるのは、

    .
    「成功体験」から、Tryする愉しさに
    目覚めさせたいという優しさであり、
    食材にこだわる矜持なのだと思う。

    #かぶら寿司
    #自家製
    #北陸の味覚
    #冬の風物詩
    #金沢

  • ことばによる薫陶(くんとう) シャガール




    Love is my only interest,
    so I’m concerned
    just with the things surrounding love.

    愛だけが私の興味を引くものだから,
    愛を取り巻くものとしか
    私はかかわりを持たない。
    ~ シャガールの名言

    「印象派から その先へ」で鑑賞した、
    シャガールへの新鮮な感動が今も続いていて、
    お土産で頂いた画集を改めてひらく日曜日。
    冬の澄んだ青空、
    褪せゆく木々の神秘的なコントラスト、

    シンプルなサラダのおいしさ、
    感動の記憶とともに増える本棚の仲間たち、


    「愛を取り巻くものとしか、私はかかわりを持たない」
    2019年を締めくくり、
    2020年に向かう指針となる言葉との出逢い。

    #マルクシャガール
    #ユダヤ人画家
    #恋人たちと花束
    #吉野石膏コレクション
    #今の感覚に最適なラベルを見つけた喜び

  • 印象派から その先へ 吉野石膏コレクション

    2019年最後の東京出張、充実した一週間。

    快晴でもビル風は冷たく、coccinelle.の
    カシミアコートがぴったりでした。

    滞在最終日は、吉野石膏コレクション
    「印象派から その先へ」を鑑賞し、
    シャガールやマティス、ピカソ、ユトリロの作品に
    今までになく新鮮に感動しました。
    魅力を受けとる扉は、
    共通点を残しながらも、
    その時々でうつろいゆくもの。

    ミステリアスな美しさをたたえながら、
    澄んだエネルギーを感じるものに
    今は惹かれてしまうようです。

    仕事面では、今年の始めに立てた
    大目標を達成したので、帰りの新幹線は、
    新しい景色を眺める経験を愉しんでみる。

    快適すぎてびっくりしています。

    #永遠のヴァカンス
    #感動する時間をつくる
    #新しい景色を眺める経験
    #北陸新幹線
    #グランクラス @ 三菱一号館美術館

  • ゴッホ展

    東京出張の合間に、上野のゴッホ展へ。

    ゴッホは画家として活動していた
    10年ほどの間に、弟テオに600通以上の
    手紙を送っていたそうです。

    その書簡をもとにした
    音声ガイダンスで知るゴッホは、
    想像していた「気難しい狂人」ではなく、
    心惹かれるものに対して忠実に、
    必死に生きたひとだった。
    自身を「裏通りの印象派」と名付けるほど、
    存命中は評価されなかった兄ゴッホの才能を、
    誰よりも信じてサポートし続けた弟テオへ
    晩年、送った手紙のメッセージが
    とても心に響きました。
    #ゴッホ
    #映画永遠の門を観るまえに
    #気分を高めてました @ 上野の森美術館

  • ぼんち ~ 京マチ子映画祭

    ◼️ わきまえの美学 ◼️

    原作は山崎豊子。
    監督は市川崑。
    脚本は和田夏十。
    撮影は宮川一夫、美術は西岡善信。

    面白くないわけがない。

    戦前戦後の大阪船場商人の、
    女性遍歴と商魂を描き出した文芸作です。

    ぼんちとは、賢いボンボンのことを
    さすらしい。

    主演の市川雷蔵は歌舞伎役者ならではの、
    優雅に浮世離れした軽妙な若旦那 
    喜久治役を演じ、

    京マチ子、若尾文子、中村玉緒、草笛光子、
    越路吹雪など、彼を取り巻く女優陣扮する
    華やかな魅力溢れる女性たちと、
    数奇な半生を送る物語。

    放蕩の限りを尽くしても、
    仕事も遊びもうまく帳尻をあわせて
    誰からも恨まれない。

    そんな、ボンボンならではの、
    天然の「育ちのよさ」や「いい旦那ぶり」という、

    今はもう歴史上でしか知る由無ない感覚に
    引き込まれました。

    また、下働きの女中にいたるまで所作が美しく、
    座布団を差し出す、無駄のない動きや、

    妾が本宅にご挨拶伺いする際の、
    立派だと評価される正しい立ち振る舞いなど、

    現代の常識に照らし合わせると、
    おかしな文化や、非道な習慣だらけですが、

    その人間くささに、
    どこかしら品性が滲むのは、
    登場人物すべてが、自分の立場を
    わきまえて生きているからだろう。

    戦争や没落の悲哀さえも、
    あっけらかんと描かれていて、

    「人生とは長い夢なのか、、、」

    そんな後味を残す名作です。

    #シネモンド
    #京マチ子映画祭
    #ぼんち
    #最高
    #キャスト
    喜久治/市川雷蔵 ぽん太/若尾文子 弘子/中村玉緒 幾子/草笛光子

    比佐子/越路吹雪 勢以/山田五十鈴 喜兵衛/船越英二
    春団子/中村鴈治郎 お福/京マチ子