• 田所美恵子写真展「針穴のパリ」

    一枚のポストカードの、
    艶かしい違和感に惹かれて、
    田所美恵子写真展「針穴のパリ」へ。

    針穴写真という言葉も理屈も知らなかった。

    動いている車や人を消し、
    不動の景色を浮かび上がらせる長時間露出で
    撮影した写真だそう。

    対象物や風景との対話が聴こえるような
    密やかさ。

    #intimateな関係性
    #Paris_autrement
    #針穴のパリ
    #田所美恵子写真展
    #針穴写真
    #金沢市 @ ギャラリー日色〈Hiiro〉

  • 第一章「はるのあわいの音づれに」 mama!milk

    シャビーな静けさを慈しむ小さな空間に、
    コントラバスとアコーディオンの調べ

    山野草のモダンな活け花
    テーマは【春の妖精を連れて】
    シャーレや実験道具に
    生けられた花たちは、

    カタクリ
    大根の花
    一輪草
    猩猩袴
    土筆
    キツネノボタン
    蕗の薹
    オオイヌノフグリ
    ラッパスイセン
    立金花
    姫踊子草
    野苺の花
    コシアブラ
    藪椿

    これらの花々は、春が過ぎると

    消えるようになくなるため
    “春の妖精”と呼ばれるそうです。

    和田屋 女将の和田智子さんの手しごと。

    揺らいだ世界との「あわい」に身をおき、
    感覚を研ぎ澄ますひととき。

    Stay homeに出来うる限り環境を近づけ、
    精一杯の策を講じた主催者の想いを
    そこかしこに感じました。

    @ Shirasagi/白鷺美術

  • 谷口吉郎・吉生記念建築博物館

    曇天からの、一瞬の雪、そして春の青空。

    金沢の空が舞台転換するかのごとく、
    いろんな表情を見せる一日でした。

    東京からのお客人たちと、
    主計町でお寿司をいただき、

    寺町の「谷口吉郎・吉生記念建築博物館」に初訪問。

    広縁の水面に映る景色が非日常すぎて、
    見いってしまいました。
    私が羨ましいのは、
    当たり前の世界から、
    美しさを集める、感動の眼の持ち主。

    そんな親から育てられる子供は、
    どんな景色を眺めながら成長するのだろう。

    その眼は、日々、何を探しているのだろう。

    #谷口吉郎
    #谷口吉生
    #金沢建築博物館
    #寺町 @ 谷口吉郎・吉生記念建築博物館

  • ハマスホイとデンマーク絵画展 

    日曜日の夕方、雨、パンデミックへの警戒、、、 .
    いろんな条件が重なったからか、
    週末とは思えないほど入場者の少ない館内。

    ハマスホイの描く世界観にふさわしい、
    ゆったりとした静かな環境で、
    念願の作品たちを鑑賞することができました。

    身近な人物の肖像、
    日常の風景、
    詩情あふれる室内空間。

    白とグレーのグラデーションが描き出す
    静謐な美しさを讃える作品たちは、

    デンマークの人々が今も大切にする価値観
    「ヒュッゲ~寛いだ心地よい雰囲気」を
    象徴するようでした。

    時代の美意識がハマスホイの目が捉えた
    美しきものたちに大きく近づいている。

    そんな確信を深めました。

    #ハマスホイ
    #上野
    #白とグレイ
    #デンマーク
    #ヒュッゲ @ 東京都美術館 Tokyo Metropolitan Art Museum

  • 金澤老舗百年展  ~ いまに生きる老舗

    ◼️ 物心両面の豊かさとの邂逅 ◼️

    金沢老舗百年展、明日16日までなので、
    是非金沢の皆様には足を運んでいただきたい。

    先日の鼎談のなかで、
    鈴木大拙館木村館長がおっしゃっていました。


    「 時間の経過とともに歴史は生まれるが、
      時間の経過だけでは伝統は生まれない。」
    どんなに小さな規模であっても、
    商売を続けるということは、
    たゆみない反復と、
    時代に問いかけ、変わり続ける熱量が必要で、

    創業者はゼロから市場を開拓し、
    継承者は伝統を守り、革新し続ける。

    そんな金沢100年企業の誉れ(ほまれ)の舞台裏を
    垣間見るような企画展でした。

    子供の頃から慣れ親しんでいた会社だから、、
    というのもありますが、
    私は「うつのみや」という本屋さんの
    企業を映す言葉が好きでした。

    「 知性と情操をお届けする 」

    高度成長期以前の昭和の時代から、
    モノではなく、心の成長や豊かさに
    フォーカスしていらしたことを知り、

    なるほど、、、
    だから本のみならず、カルチャーセンターを
    片町の書籍店ビル内で併設していたんだと
    合点がいきました。

    子供時代には気づかなかった本質に、
    今、出会うことができて、

    素晴らしい大人たちの知恵や想いのなかで、
    金沢の町に育まれたことに感謝する邂逅でした。

    育ててくれたのは、親だけではない。

    #金沢21世紀美術館
    #金沢老舗100年展 @ 金沢21世紀美術館

  • アートと親族という関係性

    金沢21世紀美術館が開館する際に、
    メキシコ在住の石彫刻家である従兄の作品の
    所蔵が決まり、親戚中が喜び湧きたち、
    誇らしい気持ちで皆が展示を観覧しに行きました。

    「さて? この石はなんなんだ?」と、
    現代アートの見方がわからない門外漢たちは
    首をかしげながらも、自慢げだったものです。

    まるで我らがDNAそのものに
    社会から承認を得たかのように。

    あれから15年。

    今では世界で活躍し、銀座でも個展を
    ひらくようになった従兄の作品が、

    21美15周年の企画展で展示されていると聞き、
    今日、再び会いに行きました。

    美術館の一角で、
    お行儀よく鎮座する作品たちは、
    ちょっぴり退屈そうな表情で、

    ダイナミックに活躍できる空間との出会いを、
    待っているようにも見えました。

    創り手が、広い世界を求めて
    金沢からメキシコに旅立ったように、

    メキシコからやってきた作品たちもまた、
    自由な世界に憧れる魂をもち、
    籠の外に希望を抱いているのかもしれない。

    そして、この15年の間に旅立った
    親戚の叔父伯母の顔を思いだしながら、
    心で対話する一日でした。

    美術館に展示されている作品にはすべて
    作者がいて、その向こう側にはかならず
    家族や親族の誇らしさがあると思うと、
    この美術館という場の体温が、
    ふんわりと高くなった気がしました。

    #金沢21世紀美術館
    #hiroyukiokumura
    #現代アート
    #メキシコ
    #ハラパ
    #アトリエ @ 金沢21世紀美術館

  • 銀線細工と彫金 ~ 柳井千恵子作品展

    このうえなく繊細なネックレスやかんざし、
    ピアスなどの装身具を制作している、
    柳井千恵子さんの作品展。

    透かしや風合いは、
    淡雪のように儚げで、
    まるで羽毛のように軽やか。

    一目見て、月下美人のような美しい友人を思い出しました。
    きっと、似合うだろうなぁ、、、

    婚礼の席で新婦の髪を飾る、
    ティアラや簪といった豪奢な宝飾品を
    ひとときの夢としてとらえるのではなく、
    一生愛用できる髪飾りとして、
    大切にオーダーするという選択肢も
    最近では人気があるそうです。

    雪の結晶をモチーフにしたネックレスたちは、
    今年はまだ金沢に訪れていない純白の朝を、
    静かに待ちわびているようでした。

    #柳井千恵子さん
    #彫金
    #銀線細工
    #繊細な美しさ @ atelier&gallery creava(アトリエ&ギャラリー クリーヴァ)

  • 印象派から その先へ 吉野石膏コレクション

    2019年最後の東京出張、充実した一週間。

    快晴でもビル風は冷たく、coccinelle.の
    カシミアコートがぴったりでした。

    滞在最終日は、吉野石膏コレクション
    「印象派から その先へ」を鑑賞し、
    シャガールやマティス、ピカソ、ユトリロの作品に
    今までになく新鮮に感動しました。
    魅力を受けとる扉は、
    共通点を残しながらも、
    その時々でうつろいゆくもの。

    ミステリアスな美しさをたたえながら、
    澄んだエネルギーを感じるものに
    今は惹かれてしまうようです。

    仕事面では、今年の始めに立てた
    大目標を達成したので、帰りの新幹線は、
    新しい景色を眺める経験を愉しんでみる。

    快適すぎてびっくりしています。

    #永遠のヴァカンス
    #感動する時間をつくる
    #新しい景色を眺める経験
    #北陸新幹線
    #グランクラス @ 三菱一号館美術館

  • ゴッホ展

    東京出張の合間に、上野のゴッホ展へ。

    ゴッホは画家として活動していた
    10年ほどの間に、弟テオに600通以上の
    手紙を送っていたそうです。

    その書簡をもとにした
    音声ガイダンスで知るゴッホは、
    想像していた「気難しい狂人」ではなく、
    心惹かれるものに対して忠実に、
    必死に生きたひとだった。
    自身を「裏通りの印象派」と名付けるほど、
    存命中は評価されなかった兄ゴッホの才能を、
    誰よりも信じてサポートし続けた弟テオへ
    晩年、送った手紙のメッセージが
    とても心に響きました。
    #ゴッホ
    #映画永遠の門を観るまえに
    #気分を高めてました @ 上野の森美術館

  • 濃い霧に漂うポーラ美術館

    濃い霧が広がる箱根は、
    まるで雲のなかを歩いているような、
    不思議な感覚。


    「シンコペーション
     ~世紀の巨匠たちと現代アート」

    モネ、セザンヌ、ダリ、ピカソ、
    ルノアール、ボナール、ロダン、
    マティス、レオナールフジタなど、

    ポーラ美術館の所蔵コレクションと、
    12組の現代作家たちによる
    インスタレーション、映像、音、写真の共演。


    ほとんどの作品が撮影自由、
    しかも興奮するほど近くに展示されていて、

    美術図録などではお馴染みの作品たちが
    とても身近に、親しみやすく感じました。

    遊歩道から見えるそこかしこにも
    遊び心のあるアートが点在していて、
    ポーラ化粧品という企業の、
    「美しさ」に対する表現を体感する午後。

    中でも一番、心が動いたのは、
    横溝静 × モネ、ルノワール、ボナール。

    イギリスに暮らす四人の年老いた女性が
    ショパンのワルツを弾き継いでいく映像。

    彼女たちの現代の住まいの光景と、
    印象派~ポスト印象派の時代の光景が
    永遠のループのように
    ひとつの部屋で繋がっていくアート。 .
    .
    「永遠に、そしてふたたび」
    というタイトルに、

    先日、マルセル・プルーストの講座で聴いた
    「見つける」とは、
    「再び、見つけることだ」という
    メッセージを思い出しました。

    #箱根神社
    #おみくじ大吉
    #ポーラ美術館
    #濃霧という夢に酔う
    #ショパンとボナールルノアールモネ @ ポーラ美術館 polamuseumofart