• 自信と謙虚が両立する理由

    男女に関わらず、『話す』という行為は、
    その人の存り方の告白。

    謙虚さも、知識の層も、経験値も、野心の度合いも、
    思考の矛盾もすべてが表れてしまう。

    今日は、長年、発酵食のご商売をなさっている
    女性のお話を聴かせていただく機会があり、

    そのかたの、情熱のなかにも余裕があり、
    伝えることを心から愉しんでいるご様子に
    胸が熱くなりました。

    『 自信があふれつつも謙虚である 』

    それを感じさせるのは何故だろうか。

    もちろん、ことばの選び方など、
    技術的なこともあるけれど、
    コミュニケーションというのは、
    それだけでなんとかなるほど甘くはない。

    どうしても心根が伝わってしまうのです。

    その女性の話し方からは、
    発酵食文化に対する自信と愛情、

    そして、自分自身は、
    それに関わる歴史をつなぐ、
    ほんの一部にしか過ぎない存在だという、
    謙虚さが感じられました。

    つまりは、『私はなぜ生きるのか』という、
    人生レベルの問いの答えを、
    すでに見つけていらっしゃるのではないだろうか。

    『私はなぜ生きるのか』という問いのもとには、
    人間は謙虚にならざるを得ない。

    だけど、生きる意味を見つけた人には、
    揺るぎのない自信が宿るもの。

    それが成熟の魅力でもある。

    『発酵は、時間がかかる』

    それは、人間も同じことなのだろう。

    3月8日が国際女性dayであることも、
    ミモザを贈る習慣がイタリアにあることも
    なにも知らない私に、
    大切な友がミモザのブーケを
    プレゼントしてくれました。
    余裕ある心遣いもまた、
    おとなの女性ならではの魅力。

    大人か否かは、年齢だけではない。
    美しいか否かも、見た目だけではない。


    【現在募集中のセミナー一覧はコチラ】

  • あなたはプロフェッショナルですか



    プロフェッショナルの語源は、
    『プロフェス~神に宣誓する』

    という意味だそうです。


    中世のヨーロッパでは、
    『社会の利益に貢献することを神に誓う行為』
    プロフェスであり、

    『公共の利益を守るような職務に携わる人々』
    自然発生的に、プロフェッションと
    呼ぶようになったそうです。


    『自身の能力で利益を得られる人』
    = プロフェッショナル
    のように、現代では解釈されがちですが、


    本来は、社会に貢献することを
    神に誓う聖なる職業人が
    プロフェッショナルなのです。

    その考え方に立つと、
    どんなに能力が高く、
    利益を得られたとしても、
    利己主義は、プロフェッショナルではない。
    ともいえます。


    『自分の仕事は、公共の利益に貢献している
    ・・・と神に誓えるだろうか?』

    新しい企画を進めながら、
    日々の節目に振り返る、
    一つの問いになりそうです。


    ※利己主義=
    行為の善悪や正否のよりどころは
    「自分自身の最大幸福」であり
    (原則上は)他人に被害があっても
    かまわない”という考え方。



  • 好ききらいは神様の感覚

    エレガンスとは、見た目ではなく、
    思考である。

    例えば、甘いスイーツ。
    甘いものの『好き嫌い』は其々あるだろう。

    でもそこに『糖質は悪!』という
    『善悪論』を持ち込むと、
    話は一気にややこしくなる。

    『善悪』は、人間が生きやすい世の中を
    作るために勝手に作ったルールであり、
    時代とともに変化するし、国によって、
    家庭によって、人によっても、
    大きく変わるもの。

    一方、『好き嫌い』は、神様の感覚。
    天から降りてきた感情を、
    人はコントロールすることができない。

    もっといえば『好き嫌い』があるからこそ、
    個性が薫る。

    私の考えるエレガンスとは、
    『嫌い』のなかにも
    『善』を見つける目をもっていたり、

    『好き』のなかにも
    『悪』があることを
    謙虚に受容できる思考をもつこと。

    世の中のスキャンダルに対して、
    『個人的な嫌い』を『社会的な悪』に
    すり替えて糾弾している人は、幼く見える。

    そして『個人的な嫌い』を感情の赴くまま、
    振りかざすことが許されるのは、
    赤ちゃんだけである。

    『私は好きにはなれない、なぜなら~』
    と、相手の立場をおもいはかって
    観念を語ることは、人生への自信であり、
    『社会的な善』という権威付けを
    必要としない勇気である。

    エレガントな言葉を使うひとが
    優雅なのではなく、

    その言葉を選んだ思考にこそ、
    優雅の本質がある。
    そしてその本質が振る舞いや外見に宿る。

    【現在、募集中のセミナーはこちらから 】
    《印象美な大人の表現力教室 9回コース》

    《新コミュニケーション能力2級認定講座》

  • たゆまぬ反復は未来への追憶

    ■たゆまぬ反復は未来への追憶である■

    今日、読んでいた本にあった言葉。

    何度も、何度も、読んだ本なのに、
    なぜかはじめて飛び込んできた言葉。

    自然はひとつの間違いもなく、
    季節をくりかえす。

    夏にうっかりと雪を降らすことも、
    春に紅葉してしまうこともない。

    何度も何度も反復しながらも、
    決して鈍感にならず、
    人間の心に初々しい悦びを与えてくれる。

    一方で、私たち人間は、
    反復に飽きたり、感動を消耗したり、
    自ら退屈な日々を作り出す。

    『たゆまぬ反復は未来への追憶である』

    今という時間が創りあげたものが、
    自分にも、誰かにも、
    いつの日か、美しく呼び起こされる
    追憶となるために、

    めぐりくる季節のように、
    自分にも、誰かにも、
    感動を与えられる存在となるために、
    日々の反復を大切にしようと誓う新月の一日。

  • 目指すのはダウンサイジング


    大雪後、久しぶりに洗車をして、
    ようやく新しい季節がやってきた気分。

    長年、頑張ってくれている白い車。
    春色のブーケ。
    軽やかな素材のシンプルなコート。
    ナチュラルブルーのバロックパールピアス。
    澄んだ香りのパフューム。

    一つ一つが、この上なく愛しい。

    そう思えるのは、
    選んだ日の情景や、
    贈られた日のうれしさや、
    笑顔のシーンが、
    記憶と重なっているからだろう。

    身軽で、不要なものがなく、余白が心地好い。

    だからこそ、自分らしい小さな無駄なこだわりが
    愉しくなる。

    そんな風通しのよい毎日にしたいものです。

    #ダウンサイジング
    #余白の美
    #金沢の早春
    #印象美な暮らし
    #人生を最期から見わたす
    #大事に生きよう

  • 新しい年代の香りを探して


    香りは、纏うひとの年齢や個性に合わせて
    人生のなかでうつろいゆくもの。

    自分史を共有してきた幾つかの香りと、
    これまで何度か卒業のシーンを迎えながら、
    きのうは新しい年代の香りと出会いました。

    パフュームには、ギリシャ神話の
    虹の女神の名前がついていた。

    レインボーエンドを探す旅の相棒として、
    ずっと仲よくしていこう。

    香水瓶を手にして最初に向かった、
    東京庭園美術館には、
    朝香宮様が愛した香水塔が“次の間”の中央で
    美しく存在感を放っていました。

  • ハロゲン照明と 学びの場


    学ぶ環境というのは、とても大事です。

    『誰と学ぶ』『誰に学ぶ』という、
    『人』にフォーカスしても、
    『どんな環境で学ぶ』ことに頓着するひとは
    意外に少ない。

    でも、心地好い空間が、
    集う人に与える影響はとても大きい。

    今日、セミナーを開催した会場は、
    すべてハロゲン照明。
    なんて贅沢で豊かな光だろう。。。

    ショーウインドウで、
    大切な商品を照らす特別な照明が、
    受講者の方々の表情を照らす光景は、
    白々した蛍光灯のそれとは雲泥の差がある。

    目に映る光景は、大切な記憶。

    皆さんの学びの場の記憶が、
    美しいシーンで彩られるということは、
    学びもまた、暮らしのなかで
    美しく活かされていくと、信じている。

  • 過剰サービス合戦、終止符の時代


    好きな映画をBGMに、
    手紙のお返事を書いたり、

    ベランダで遊ぶ猫を見守ったり、
    細々とした家事をする雪の日。

    今年は記録的な大雪に見舞われた金沢、
    早朝起きて、雪かきしてから出社し、
    会社の駐車場の雪かきをしなければ、
    オフィスに入れないという災害レベルの2018年。
    にもかかわらず、朝刊も、郵便も、
    宅配便も、律儀に届くという現実に驚きます。

    それにしても、宅配便の時間指定サービスが
    有料でないことに、いつも不思議さを感じます。

    さらに有料でもないのに、
    時間通りに届かないと怒る人も謎。

    昨夜、サービス業従事者同士の会話で、
    “過剰サービス合戦・終止符の時代”が
    テーマになりました。

    現場で働くひとが疲弊せず、勤労を愉しみ、
    愛情をこめるには限度がある。

    丁寧な工夫や心遣いは日本人の気質であり、
    とても美しく大切なことだけど、

    便利さへの追求が貪欲になり、
    それが過剰である環境からは、
    爽やかなコミュニケーションなど生まれない。

    人間らしい温かな感情を、
    生き生きと発動するためには、
    内側から自然に “親切心” が涌き出る、
    精神的余裕が必要で、

    それは、大雪時の親切の交換が、
    “大雪だから仕方ないよね~💦”という、
    人間の無力をお互いが認めあう余裕から
    生まれるのと同じこと。

    不要な無理はせず、させず。

    過剰サービス合戦が穏やかに終息すれば、
    日本のサービスのクオリティは、
    むしろ、向上すると思います。

  • もっとも残念な印象とは?

    こころ新たに仕事始めに臨むために、

    2019年の新たな出会いのために、

    いま一度考えたい、あなたの印象のこと。

    年末に年賀状を書くとき、名刺リストを
    紐解き、一年を振り返ったかたも多いはず。

    今年、名刺交換したはずなのに、
    その人のこと、何一つ覚えてない。

    どこで会った?
    ・・・それは時系列で大体わかる。

    しかし、どんな話をした?どんな顔?
    表情も、服も、しぐさも思い出せない。

    そう、一番残念な印象は、
    記憶に残らない・・・ということです。

    良い印象を与えることができれば最高。

    悪い印象は、その後の挽回努力で
    プラスのギャップを得る可能性があるし、

    努力ではどうしようもない
    観念的な相性もある。

    人間同士、こちらが苦手なら、
    あちらも苦手と思っている場合が多く、

    お互い近づかないほうが
    賢明なケースも日常にはあるだろう。

    しかし、記憶に残らないというのは
    その圏内ではない。


    記憶に残らないというのは、
    ご縁あってせっかく出会えたのに、
    会っていないのと同じことなのです。

    もし、ほんのちょっとだけ、
    人と違うアピールができていたら、
    相手の記憶に一年ぐらいはとどまるはず。

    アポイントの確認メールを送るときの
    コメント、挨拶するときの声、表情、
    対面距離、名刺交換の所作、
    名刺の素材、デザイン、持ち物、洋服、
    靴、手元、首元、口元、
    椅子の座り方、話を聴くときの姿勢、
    話すときの姿勢、目線・・・・・・・
    そして帰り際の後姿まで。。

    あなたは、あなたの内面の素敵さを
    意図をもって表現しているだろうか。

    そして、その意図とは、“個人的な好み”
    を表現することではなく、

    生き方とあり方を、外見で告白すること。

    全てに気を配るのは途方もなく大変だけど、
    一つだけでもいい、

    これまでよりも気をつけることで、
    確実に去年より、良い印象の自分になれる。

    去年より良い印象になるということは、
    ビジネスチャンスが去年より広がるということ。

    もし後日、相手の求めている情報を
    タイミングよく、メールやハガキで
    伝えることができたとしたならば、

    プラスの印象が記憶に残っているほうが
    レスポンスの可能性は圧倒的に高まるだろう。

    難しいことをしようとするのは大変です。

    でも今日、そこにいる誰よりも明るい声で、
    「 今年もよろしくお願いいたします!」と
    笑顔で発することは、それほど大変なことではない。

    印象は、「いつもの自分」を
    底上げしなければ上がらないもの。

    印象は、「小さな丁寧」の積み重ねで
    構成されるもの。


    出来ることから少しずつ、
    人とちょっとだけ違う自分を表現することが


    月並みではない、
    記憶に残る、印象を創り、


    人とのご縁を確実に繋げてゆくのだと
    私は信じています。

    2019年、目指すべきは、去年よりも、
    プラスの記憶が残る印象美な告白。

  • 季節の歳時記、必要な儀式

    タオルも年末準備。

    年に2回、タオルを総入替えする。

    今治タオルのメゾンドサンホーキン。
    届いたときは薄くみえるけれど、
    予洗いすると、ふんわり膨らみます。

    柔らかく、吸水性があり、
    ワッフル織の縁仕上げが可愛らしく、
    まとめ買いしやすい価格帯。

    もう、何年も前からこればかりになった。

    時々、浮気しながら落ち着いた港(笑)

    まだまだ使えるタオルを総入れ替えするのは、
    お風呂上がりのしあわせな肌触りも
    さることながら、
    お洗濯のストレスをなくすため。

    くたびれたタオルを洗い、
    くたびれたタオルを干していると、
    自分の心もくだびれ、
    生活もくたびれる。

    煩雑にしまいこまれた引き出しからは、
    タオルたちの哀れな自己主張を感じて、
    こちらまで悲しくなる。

    一方、きれいな新しいタオルは
    風になびく姿が生き生きと凛々しく、

    乾燥機で回転する姿が躍るように軽やかで、

    引き出しに並ぶ姿には、
    穏やかな調和と融合を感じる。

    なんという美しく平和な光景だろう。

    いつのころからか色の選択も、
    カラーレスに落ち着きました。
    漂白した白ではなく、
    色づけしたものでもなく、
    最も自然に近いコットンを
    最も自然に近い肌で感じることに
    心地好さをいだきます。
    しあわせの価値基準は人それぞれ。

    今この瞬間の楽しみもよし、
    ゆっくり味わう楽しみに価値をおくもよし。

    年末準備はその人の価値基準がでやすい。

    『ありのまま』の自分ってなんなのか?
    向き合ってみる時間でもある。