香りの印象美 ~ 紳士たちの空間
東京南青山にあるEDWARDECRUSショップ用の
空間フレグランスを、代表の木場氏から
オーダーいただき、先月、納品いたしました。
まず悩んだのは、
アロマミストのようなスプレーか、
デフューザーを使うものか、、、
いろいろ考えた結果、
男性でも管理や調整がしやすく、
インテリアにもなり、
置いておくだけで香るという特長のある、
ポプリにすることに決めました。
一般的にポプリというと、
ドライフラワーや木の枝、木の実などに
香りをしみこませて使うイメージがありますが、
男性にはあまり似合わない気がする。
そこでフランスのブランド・マドエレンのように
鉱石など、硬質な自然素材をイメージし、
今回、セレクトしたのは、フランキンセンスの樹脂。
オマーン産の上質なものを厳選しました。
樹脂そのものが蜂蜜のように、
イエローがかっているため、
器は、アンバーカラーの
英国アンティークガラスポットを探しました。
これならば、蓋の開け閉めで香りの強弱が
自由にコントロールできます。
木場氏からリクエストいただいた
フレグランスのイメージは、
『 清浄でウッディーな香り 』
シトラスベースで、程よくスパイシー。
穏やかで優しい香りです。
アクセントのフランキンセンスは、
キリストの誕生を祝い、
三博士たちが捧げた贈り物のひとつ。
黄金と並ぶ、高貴で聖なるものであるため、
今もなお、清浄な祈りの香りでもあります。
好みの濃度に微調整しながら、
数滴を樹脂にしみこませながら使います。
このブレンドオイルの香銘は『雪の香』
本来、香りのない雪の、
風景を純白に包み込む無音の静けさや、
触覚は冷たいのに、
視覚には温もりを感じる、
絹の原糸のような
“白 エクリュ”をイメージした香りを
調香師のかたに創香していただきました。
また、雪解け時期の、
湿った土の香りの懐かしさも内包しています。
実はこの香り、
加賀百万石の藩主・前田利家公の
生誕地や生年月日からホロスコープをつくり、
守護となる植物を組み合わせています。
潤沢な財力を、
武力ではなく芸術文化に投資した、
加賀百万石の政策もまた、
“装いの美学”に通じる優雅さではないかと
考えた次第です。
ネイルパフュームオイル『Benedictionf』
水引のカフリンクス『雪のひとひら』に続く、
金澤コラボレーションの機会をありがとうございます。