-
人生論ノート / 三木清 ~ 幸福について
機嫌がよいこと、丁寧なこと、
親切なこと、寛大なこと、等々
幸福はつねに外に現れる~ 中略 ~鳥の歌うが如く、おのずから外に現れて
他の人を幸せにするものが真の幸福である~ 幸福について ~ 人生論ノートより…………………………………………………………………………………………名作と言われる本は、
若いころに出来るだけ読んでおくべき。
と、つくづく思う。当時、全然理解できなかったという
事実そのものが、とても貴重だから。まさにその通り。
印象とは、虚栄のために
外見を見栄え良く整える・・・・
ということではなく、外見を整えることで
自分の清々しい心が外に現れ、
その結果、
他人を幸せにするということ。自分ひとりが満たされる幸せは
限度があるけれど、
自分の何かしらの能力で
他人を満たす幸せは
限度がないものだから。若いころ、全然理解できなかった言葉が
心にしみるというのは、
年を重ねてこそのご褒美です。 -
La Maison de Mizuki ~ 北陸の小さな旅
大型連休のウォーミングアップは、
大好きなケーキ屋さんでの、
ゆるやかな時間からスタート。イチゴとメロンのショートケーキにしましたが、どうしても選びきれなくて、二個オーダーすることも多々あります。チーズケーキとサバラン、どちらもオススメ。こちらでは、ミルクティを頂くことが多いです。ティーカップやプレートもアンティークで、世界観が統一されていて、雰囲気に浸れます。壁に飾られていた、日本画家 舟山一男さんの作品にくぎづけ。美しい線や面に対する、愛情や敬意が感じられる作品。イギリス製の古いアンティークチェストの上に、飾られているお花や、本や、ティーカップも愉しみのひとつ。いつもはお一人様か、母親同行ですが、
今日はめずらしく、東京からのすてきな友人と合流しました。そのかたは、オーナーパティシエールのミズキさんの凛々しいユニフォーム姿に興味津々。制服談義に花が咲き、お菓子も、ファッションも、アートも、すべては、根底で繋がっているね。というお話に展開。県外の人との金沢めぐりは、
見える風景も、お店の人との会話も、
いつもとは全然ちがって、
一緒に観光客気分になれるのが、
新鮮で愉しいものですね。そして、このお店で受けた電話が、人生を変えていくかもしれない吉報で、個人的なパワースポットとして記憶されました。贅沢や、豊かさというのは、
ゴージャスなことでは決してなく、〝場の主人〟が厳選した最小限のものによって、
隅々まで世界観が統一された空間に、
お邪魔させていただくこともまた、
贅沢、極まりない体験。そこにはもはや感謝しかありません。
全てに、ご馳走様でした。【 La Maison de Mizuki 】 -
千里浜なぎさドライブウェイ~北陸の小さな旅
ゴールデンウィーク直前の、
まだ静かな千里浜なぎさドライブウェイへ。↑この写真の足元に注目。ヒールが沈まずに歩ける、
締まった砂浜だからこそ、
波打ち際ギリギリまで、
愛車でドライブすることができます。これは日本で唯一、
石川県羽咋市千里浜海岸だけの特徴です。夕日が沈むまでの時間は、
浜茶屋で、はまぐり、サザエ、焼きいか、
バイ貝の串焼き、とうもろこし、
焼きたてを次々いただき、
同行者はビールでほろ酔い。ふわふわと気持ちよくなりながら、
空の表情、色彩のグラデーションが
刻々と移り変わる、
日本海の自然美劇場を観賞。茶屋のまわりには、
おやつを求めて海鳥が集まります。懐つきながらも、
茶屋の中には入らせない距離感を、
海鳥と保つコミュニケーション能力に感激。子供の頃と比べて、
砂浜の侵食がずいぶん進んでいます。いつかは、この恵まれた環境が
過去の夢物語となる日がくるのかもしれません。本日のBGM ~@ 千里浜なぎさドライブウェイ -
人生に、夢やビジョンは必要ですか?
明確な夢やビジョンがないことで、
自分に軸がないように感じる人も
いるかもしれない。でも、人は誰もが、
【 自分の人生をしあわせにする 】という、絶対的な使命もって生まれている。夢やビジョンすら、その手段であり、
いたってシンプルなこと。【 自分の人生をしあわせにする 】
それを、利己的と捉える、短絡的な人もなかには、いるけれど、人は自分1人ではしあわせにはなれない。
大切な人を愛する訓練を積み重ね、
誰かが喜んでくれたときに、
人はしあわせに充たされる。年齢を重ねるごとにますます、
誰かの役に立つことや、
社会の役に立つことこそが、
自分をしあわせにしてくれる場合が多くなる。『愉しさ』を手にするのは簡単だけど、
『しあわせ』は努力が必要なのです。だからこそ、
自分をもっとしあわせにするために、
楽(ラク)じゃないことにも挑み、
もっと質の高いしあわせのステージに
向かおうと努力する。しかし、時として人生には矛盾もある。
例えば、
『一時の喜びはあるけれど、しあわせを感じないこと』喜びのあとに、
虚しさや、罪悪感が押し寄せると、わかっていながら、止められないこと。それは、ギャンブルの享楽であったり、男女間の欲望であったり、喫煙や過食、朝寝坊といった類いの、ひととき小さな快感をもたらす、怠惰な日常習慣であったり。だって人間だもの。。
そんなときこそ、
『考える機会』と捉え、『小さなひとときの快楽』を、
『大きな絶対的なしあわせ』に、
に変換する方法を思索する。すべての『経験』『思考』は、
かけがえのないもの。『ダメな自分』と感じるひとときもまた、自分の人生をしあわせにするための、一種のスパイス。程よい塩梅であれば、しあわせを引き立たせてくれるものであり、多すぎれば人生を台無しにするものでもある。 -
世界最薄級オーガンジーにふれて
以前、石川県かほく市の繊維メーカー株式会社コイズミさんがつくっている、世界最薄級のオーガンジーのスカーフを知人から贈り物として頂きました。極薄オーガンジーと言えば、天池合繊さんの〝天女の羽衣〟が有名ですが、こんな美しい極薄オーガンジーを主力につくっている企業があることをはじめて知りました。それを、ふとしたひらめきで、サイドテーブルのクロスにしてみました。○テキスタイルデザインがエキゾチック。○ポリエステルで汚れにくい。○極めて薄いため、存在感を主張しすぎない。5デニールの薄さって、どのくらいかというと、女性の一般的な薄手のストッキングは、およそ20デニール。つまり、その4分の1の薄さです。肉眼で観るより、写真だと赤く見えますが、ふわりと半透明で、シックに風景に馴染む感じ。しかも、水面のような艶がクールなので、エレガントになりすぎない。カーテンとともに、ふわりと揺れる軽やかさ。石川県は繊維大国と言われていますが、実際にどんな繊維が織られて、どんなふうに使われて、世界でどんな評価を得ているかを、私たちは、地元のことなのに、意外に知りません。伝統工芸は素晴らしい最新技術も素晴らしい。神がもたらす天然繊維は美しい。人間の技術がうみだす化学繊維も至極美しい。改めて青い鳥はそばにいることに、きづく機会でした。 -
コスパで選ばない、大人の経済活動
健康的な消費活動とは、『適正価格重視』であって、『コスパ重視』であってはならない。『あの店は、コスパがいい』という価値観は、世間の風潮であり、営業努力という言い方もできますが、市場の『コスパのよさ』の向こう側には、生産者や、関係会社が、見えないところで身を削っていたり、お店の人そのものが、不必要なほどに無理をしている可能性が高い。なかには戦略として、レストランと物販を同じ店舗で行っている場合などもあり、食事のあとに販売にも繋げる仕組みで、食事の価格を抑えることもあるでしょうが、コスパ重視のお客様は、自分が得することに価値基準があるから、お買い物も別のコスパの良い店舗で、されるはず。『うちはコスパのよさが自慢です』というお店には、それ以外に自慢がないように聞こえるし、『あの店は、コスパがよくて最高!』という価値観のお客様は、適正価格だったら、きっと行かない。『適正価格』で、どれだけ独自性を発揮し、満足度を高めるかを競うほうが、健康的だと思わずにはいられない。お店の人が、生産者さんが、職人さんが、人生を愉しめるだけの適正収入を得て、余裕ある心で、クリエイションに取り組める社会をつくるのは、消費者側にも責任がある。ゴールデンウィークには、いろんなキャンペーンとか、お店独自のイベントがあるでしょうが、お得だけを手にして、得した気分になっているひとは、気づかないうちに、確実に別の大切なものを失っています。それは〝印象〟という見えないベールで、『コスパ重視』の人を引き寄せ、自分の首を絞めることでもあるかもしれない。○その価格設定ならドリンクは追加しよう。○event以外の日も足を運ぼう。○ランチに2回来たから、次はディナーにしよう。お気に入りのお店であればなおさらのこと、お店側の行動の意図を汲んで行動できるひとが、『客ぶりのよさ』であり、『大人の経済活動』ができるひと。もちろん、それは飲食店以外でも言わずもがな。WORDROBEのお客様には、コスパ重視のかたは絶対にお越しにならない。ある意味、偏った付加価値に対する理解者がセミナーをご受講くださり、商品をお買い上げくださることには、もはや、感謝しかありません。。 -
充実の音色とマイブーム
毎年、増えるでもなく、
安定数だけ律儀に咲く、
八重咲きのクリスマスローズこんなに美人なのに、うつむき加減の控えめさが愛らしい。グリーンとパープルピンクの、カラーグラデーションの妙。自然というアーティストは隅々まで手を抜かない。庭で野生化しているブルーベリーの枝ズズランみたいな小さな花を咲かせています。実も、花も、枝ぶりのラインも、紅葉も、総合得点高すぎ。ブルーベリーは園芸界のプリンセスですね。花壇のアイビーと名前も知らないお花チーズトーストをつくるとき、食パンに発酵バターをたっぷり塗ってから、チーズを載せて焼くと、おいしくなることは、重々わかっていながら、平日は割愛してしまう。休日の、この小さな一手間だけで、大満足。身の回りのもので、
たとえ自己満足でも、小さなきれいなシーンが作れたときの充実感たるや、体内で特別なホルモンが分泌される音色が聴こえるよう(笑)ベッドで、ウトウトまどろんだり、朝陽で光合成?するハルモニア。トコトコトコと階段を上り下りする音が猫バカには愛しくてたまりませんよ。きのう、本棚の整理をして、
読みかえしたくなった本二冊。『嫉妬心』て、なんとも切なく滑稽で、
人間らしくて愛しい感情ではないですか。外から聴こえる小鳥のさえずりに、
小鳥にも、そんな感情があるのかなぁ。と、ぼんやり考えながら、
コーヒーをお代わりする朝。お昼ごはん用に、もちきび入りの玄米を炊いてます。土鍋生活20年以上、未だに完璧にはなれず。気候、お米の状態、水の温度、浸水時間、ブレンドの配合、毎回が研究の繰り返し。べつに成功を目指してないから、『 ああ、今日はこうきましたか。』と、一期一会を愉しむ感じです(笑)大事なお焦げは、おいしいお塩で、熱々の塩むすびをつくる。具も、海苔も、邪魔に感じる素朴なご馳走。しみじみ、こんな時間が大好きです。 -
ことばによる薫陶(くんとう) ~ 白須 正子
この世界(骨董)では、
贋物にひっかからないことは
少しも自慢にはならぬ。女にだまされない男が、
女を知らないようなもので、博物館や学者の意見を聞いて、
安全なものだけ買っていれば、間違いはないかわり、進歩も望めないのである。真贋などとやかくいうのは
無意味であろう。ただ、好きか嫌いか、
つまるところはそれしかない。別のことばでいえば、
信じられるのは自分しかない、 -
ことばによる薫陶(くんとう) ~ 美輪 明宏
いつも素敵な音楽を聴いて、
素敵な本を読んで、素敵な人と出会って、常にいいものに触れていると、その人が歩いているだけで
自然にものすごいオーラが
放たれているものです- 美輪 明宏 - -
365日のシンプルライフ ~ フィンランド 2013年
主人公は、ヘルシンキにすむ青年ペトリ。彼は、恋人と別れたことをきっかけに、ある実験を行うことを決めます。● 自分のすべての持ち物を倉庫に預ける。● 一日一つだけ、必要なものを倉庫から持ち帰る。● 食べ物以外、なにも買わない。● これを一年、続ける。真冬のヘルシンキで、素っ裸から一日目が始まり、拾った新聞紙で身体を隠して、倉庫へ走るペトリ。生活に本当に必要なものを、一つずつ、考えながら持ち帰る。最初に手にしたものは、ロングコート。裸にまとえば、外も歩ける。毛布がわりに、暖もとれる。シャワーのあと、身体も拭ける。そもそも洋服とは、寒さや日光から身体を守るために必要もので、その基準からはみ出したものがファッション。洋服は生活に必要だけど、ファッションは生活を楽しむために必要なもの。その住み分けすら、モノに溢れた暮らしのなかで、私たちは、忘れてしまいがちです。365日、お祖母さんや、友人たちや、新しい恋人との関わりのなかで、人生におけるモノの役割を、考え続けるペトリ。そして観る側もまた、ペトリと一緒に、自分にとって、本当に必要なものを考える時間になります。以前、女友達数人で、洗濯機、冷蔵庫、掃除機が一度に壊れて、一つしか買えないとしたら、何にする?というテーマで会話したことを思い出しました。答えも、理由も、みんなバラバラ。ちなみに私の答えは、掃除機でしたが、掃除機を選んだのは、ひとりだけ。生活における価値基準はそれぞれで、何を選ぶかよりも、選んだ理由のほうが、ずっと大事。あるはずのものを、一度手放すと、自分の人生において、本当に大切にしたいものが見えてくる。この映画は、モノを手放すことが大事なのではなく、モノを選ぶなかで、自分はどう生きたいのか、その意思を問うことの大切さを伝えるお話でした。