ルビーロマンの存在価値

実家はよく果物を食べる家で、
80代の老夫婦ふたりになっても、

グレープフルーツ1箱、スイカ3玉、
ぶどう3キロという単位で、
近江町市場で注文し、
配達して頂いてました。

先月、父が他界したあと、
近江町市場の、いつもの青果店さんで、

『 もう、父さんがいなくなったから、
全部半分だけ配達してもらえる? 』

と、母がお願いしたところ、

配達時に、石川県産 最高品種の
ぶどう・ルビーロマンを、青果店さんが
お供えものとしてお持ちくださって、
母は大層、驚いたとのこと。

石川県における、ルビーロマンは、
ある意味、『千疋屋のメロン』のような、

最上級のお悔やみや、
お祝いを示す存在なのかもしれず、

今まで、相当するものがなかった、
新しい価値を創りあげたといえる。

そして、地域によって、
山形のさくらんぼや、
岡山の桃や、
愛媛のみかんにも、

地域ならではの
最上級の想いを伝える品種が
あるのかもしれない。

ルビーロマンは、
これまで何度も贈ってきたけれど、
受け取ってみて初めて感じる嬉しさ。

その地域ならではの、
〝想いの重み〟を伝え、受け取り、
共有できるものが存在するって、
豊かなことですね。