クローゼット ~ 千早 茜
なんの先入観も、予備知識もなく、
気楽にタイトル読みしたのですが、
雨の日曜日にぴったりの、
読後感の瑞々しい一冊でした。
気楽にタイトル読みしたのですが、
雨の日曜日にぴったりの、
読後感の瑞々しい一冊でした。
物語は、18世紀から現代までの、
芸術品ともいえる西洋のドレスを所蔵する
私設美術館が舞台。
登場人物は、そこで働く人々と、
きれいなものが大好きで、
日常にもスカートを履く男の子・芳(かおる)
人が袖をとおさねば、
一年で古びた印象となる洋服というものを、
200年以上の時を経ても美しく保つために
補修士という仕事があり、
そのなかにも、ジェンダーや幼少体験の痛み
といった社会問題も関わってくる。
服飾の歴史を愛情をもって語る言葉、
その、ひとつひとつがとても美しかった。