お詫びの6段活用


1月3日の今日、お正月営業のジムへ
ホットヨガをしに行きました。
そこで出会った、よくある光景。

年末年始、なまった体に喝を入れるため
多くの人がレッスン開始30分前から
スタジオ前で順番待ち。

ようやく入ったスタジオの中が、
こともあろうに、寒かった。

本来、ホットヨガのスタジオは、
低温スチームサウナのような環境のはず。

なのに、室温が低く、湿度があるため
ジムスペースより体感温度が低い状態。

寒いーーーっ!!
せっかくホットヨガをしに来たのに、
これじゃあ、汗かけないよ。。。と、
参加者がざわめく中、

若く可愛い女性インストラクターは、

「今日は温度が低くて申し訳ありません!
汗をかきやすくするために、強度を上げて
立位の姿勢を多くとり入れていきます。

ホットヨガではできない呼吸も
取り入れていきますね」

と、お詫びを言って、レッスン・スタート。

しかし、なんだか心がモヤモヤする参加者たち。

なぜなら、お詫びに必要な6項目のうち、
彼女の言葉には2項目しか入っていなかった。

つまり、参加者が知りたい情報がうやむやで
お互いの心が繋がらないまま、
レッスンがスタートしてしまったのです。

お詫びには6段活用があり、その順番も大事。
たとえば、今回の例で言うと、

①相手理解
⇒お正月休みの大切な時間を割いて頂いたのに
期待を裏切った。

②罪の意識
⇒あなたのがっかりした気持ちを想うと、
とても申し訳ない。

③謝 罪 ⇒本当にごめんなさい。

④償 い 
⇒今日はいつもと違う呼吸やポーズを取り入れます

⑤原因究明
⇒実は、今朝ボイラーの調子が悪くなった(仮定)

⑥今後の対策
⇒早急に修理して、以後このようなことのないように
対処します(仮定)

ここまでの言葉があれば、
参加者のなかに納得感が生まれて、
レッスン後に寄せられるクレームは グッと減るはず。

ところが今日は残念ながら、
③謝罪 ④償い   だけだった。

インストラクターが悪くないことはみんなわかっている。

ただ、納得感が欲しかっただけ。

こんなシーンは、私たちの生活の中で
日常的に起こっています。

憤っている客が求めるのは、


①自分の気持ちを理解してほしい

②問題を解決してほしい

であるのに、受け手側はつい、

①相手理解・・・をぬかして、

②問題解決・・・だけを与えようとする。

憤っている側は理解されていないと思いこみ、
イライラしてしまう。 

相手の知りたい情報が洩れていたり、
伝える順番が変わるだけでも
意味が変わる。 伝わり方が変わる。

相手を「うるさい客」と思わず、
「納得したい客」なのだと思うことが
とても大切で、一番必要な心構え。

意図的なクレームではないお相手まで、
十把一絡げで “クレーマー“ と呼ぶ時点で、
もはや伝わらない前提が完成しています。