心覚(しんかく)に触れる言葉


日本語というのは奥深い。

マイナスな状態を、
愛らしく表現したり、
きれいな印象におさめたり。

今日、シェービングエステにて。

顔やうなじ、耳元のうぶ毛を処理したあと、

皮膚がシェービングの刺激で
炎症を起こさないようにするための
冷たいパック剤を肌にのせるとき、

「 お肌がさわがないように、
鎮静効果のあるパックをしますね 」

と、エステシャンの女性がおっしゃった。

「 お肌がさわがないように。」

その可愛らしい表現に、
自分の肌に住む小さな小人達が
整地された肌にビックリして、
ワイワイさわぐ様子をイメージした。

日本語というのは、なんとも味わい深い。

日本茶の、色が濁ったネガティブな状態も、

「 水色(すいしょく) に、冴えがない 」

と、表現するときれいにおさまる。

会って話をしたあとに、
きれいな余韻が残るひとというのは、
そんなことばの引き出しがあるひとなのだろう。

『 WORDROBE 』という屋号は、
WORD (言葉) と
WARDROBE(衣装部屋)を合わせた造語です。

ことばの衣装部屋に、
自分らしく、
美しい言葉がおさめられるたびに、
自由に想いを表現できる人になる。

人間は年を重ね、
誰しも若さを失うが、

それ以上の価値を、
年を重ねて自分のことばに宿らせたい。

そんな思いが込められている。

今日もおかげさまで、
自分の衣装部屋に、またひとつ、

愛らしい表現をおさめることができました。