ことばによる薫陶(くんとう) ~ 川瀬 敏郎 (花人)

(写真 川瀬敏郎著書 一日一花より)
本当のものというのは、
最終的に言えば自分自身なんですね。

自分自身がどういう存在であったか。
というところに、
花が関わってなかったら、
花はメッセンジャーにはなれないんです。

例えば、枯れ蓮に寒牡丹を、
一輪ポンっと入れたものを、

すごい濃い化粧のおばさんが
「私がいけたんですよ」と言われたら、

きっとそれは説得力がなくなると思うんです。

ある意味から言えば、
「あ、なるほど、

こんな人生を経てきた人だからこそ、
できた世界なのかな」

「こういう人が見つめてきた自然って
どんなものだったのか」……、

きっと花というものは、
個人を語っていくものであり、
個人がどういう生き方をしていくか
ってことは、
問われ続けていくわけです。

~ 講演の書き起こし記録より