ことばによる薫陶(くんとう) ~ 白須 正子
この世界(骨董)では、
贋物にひっかからないことは
少しも自慢にはならぬ。
女にだまされない男が、
女を知らないようなもので、
博物館や学者の意見を聞いて、
安全なものだけ買っていれば、
安全なものだけ買っていれば、
間違いはないかわり、
進歩も望めないのである。
真贋などとやかくいうのは
無意味であろう。
無意味であろう。
ただ、好きか嫌いか、
つまるところはそれしかない。
つまるところはそれしかない。
別のことばでいえば、
信じられるのは自分しかない、