ことばによる薫陶(くんとう) / ゲーテ
都会は人が創り、田舎は神が創る
~ ゲーテ
富山の南砺 利賀村 『瞑想の里』で、
山の中、野外でコース料理をいただくというイベント。
『土徳』という言葉の響きに惹かれました。
何百年もの歳月をかけて培われた
浄土真宗が根付くこの地域の風土へのオマージュが、
この『土徳』という言葉にこめられている。
金沢百万石まつりの本祭である今日、
この街、この地域について考える機会。
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2007年発刊 季刊誌『彩都さいと』より抜粋
2007年発刊 季刊誌『彩都さいと』より抜粋
「土徳」という言葉がある。
広辞苑にも、大辞林にも出てこないので、
少なくとも一般的に使われている言葉ではない。
でも、雰囲気はなんとなく理解できそうだ。
ここでいう「土」は、大地や地面、
土壌といった意味ではなく、
人が暮らす土地や地域を指すのだろう。
「徳」という言葉も、
西洋にはない東洋の宗教哲学的な概念であり、
身近な日本語の中から端的に指し示す言葉を
探すのは難しい。
強いて言うなら、品性や恩恵、
加護といった解釈が当てはまるのかもしれない。
この「土」と「徳」を組み合わせた「土徳」とは、
要するに、そこにある自然、風物、
周囲の人々もひっくるめて、
他者に対して安寧をもたらし、
それでいて何も求めない品性、
品格が宿る土地、地域と形容できそうだ。
本来は浄土真宗の教え、
考えから生まれた言葉だといい、
浄土真宗の盛んな北陸の風土を指す。