装いとは人生哲学の表現である

昨年の秋、

東京の英国クラシックオーダースーツの専門店、

EDWARDECRUSの木場氏から、茶道や香道の席で、
ダブルカフスの洋礼装をしたときに身に付けられる、

○裏のないダブルトップ
○金具を一切使わない、継ぎ目無の完全一体型
○ミリ単位までスーツの黄金率に忠実なサイズ
○優しい雪のように自然な白色
○雪の結晶を感じさせるシンプルな意匠

こんな条件のカフリンクスを

水引で作れないだろうか。と相談を受け、
水引作家の塚谷彩子さんと共に試行錯誤して
『雪のひとひら』第一作目を作り上げたのが、
昨年の12月。

そのときの製作インスピレーションとなったのが、

松岡正剛さんの中谷宇吉郎著書『雪』の紹介であり、
中谷宇吉郎 雪の科学館でした。

イギリスに留学していた中谷宇吉郎氏は、
英国紳士の洗練をプライベートでも身につけていて、
それは “雪の結晶” の研究のみならず、
人生における、
一貫した美意識の結晶でもありました。
【 装いとは、人生哲学の表現である 】

そう語り続けていらっしゃる木場さんとは、

必ず通じあうものがあると思い、
1年という時間を経て、
ようやく『雪の聖地』にご案内できました。



科学とファッション、

一見、畑違いのようでありながら、
それは、美意識という点で
間違いなく結ばれていることを
実感する時空間。

余談ですが、
『雪のひとひら・カフリンクス』の初回作を
東京に納品にいった際に、
待ち合わせした場所の隣のテーブルに、
遠州流の家元が座っておられ、
神様から、取り組みを応援されている気持ちに
なりました。(極めて一方的に)