有吉佐和子に心酔した記憶
このシリーズをはじめて読んだのは20代前半。
『芝桜 上・下』『木瓜の花』の三冊で完結する、
花柳界に生きた女性の一生を描いた作品。
主人公の正子から、女性の賢さや、
気っ風や、潔さや、可愛いげや、色気や、
慎ましさや、健気さとは何か…
を考えさせられ、
20代の私は多くのことを、
作中のシーンから教えてもらいました。
久しぶりに読み返したい気持ちが高まり、
Amazonに注文しましたが、
『木瓜の花』は廃刊。
もう古本しか買えません。
本当に素晴らしい作品なのに全く驚き。
好きな作品や、好きな商品や、好きなお店が
気付くと無くなっていることが最近特に多く、
良いものであることと、
経済活動に乗りつづけることは、
別なんだと残念な気持ちになります。
好きである側の責任は、
ただ気まぐれに愛するのではなく、
対象の存続を意識した関わりかたを
個人レベルであってもし続けること。