旧き(ふるき)もの新しく、 新しきもの古(いにしえ)美しく

実家で老父母と炬燵にはいり、
他愛もない世間話をし、
お茶を飲み、お菓子を食べ、うたた寝。

父は従妹に手紙を書き、
母は台所で夕げの仕度。

石油ファンヒーターの音と、
お鍋で大根が沸々煮える音しか聞こえない。

古い日本家屋の温かい部屋は、
まるでシェルターのように、
現実世界から遮断されている。

若い頃は苦手だったこの閉塞感が、
今は平和の安息地に感じる不思議。

私が生まれる前からここにある階段灯も、
ふと見上げれば、なんと味わい深いことだろう。

旧き(ふるき)もの新しく、
新しきもの古(いにしえ)美しく。


そんなことばが思いめぐる一日でした。