大晦日の過ごしかた
日本文学の名著のなかから、
美しい文章を抜粋し、
それを書き写すことで、
目や心で、美しい表現を学びとる練習帳。
目で読むだけと、
目で読み、音読し、書くのでは、
筆者の想いの伝わりかたも、
言葉の美しさの感じかたも、全然ちがう。
大晦日に選んだのは、
与謝野晶子の『君死にたまふことなかれ』
24才の弟が戦争に徴兵された想いを、
ただ真っ直ぐに訴える晶子の切なさ、
理不尽を嘆く苦しみがひたひたと胸をうつ。
与謝野晶子というひとの、
反戦も、恋愛も、その社会に向かう強さの源は
苦しいほどの愛の深さだったのだろう。
ささやかでも、年の瀬らしい準備をし、
平和な年越しを迎えていることの
いかに幸せかを感じる大晦日。
すべての天恵に感謝し、
ご縁あり、私に出会ってくださった
すべての方々の健やかな幸せを願います。