つつんで、ひらいて~本という無限のファンタジー

本は、紙という資源を消費するし、
印刷は、誤植という大きなリスクがある。
物流、保管というエネルギーも然別(しかり)

電子書籍なら全て不要な手間隙。

全てにおいて悲合理的なこと、この上ない。

でも、作者が身を削って生み出した、
作品というスピリッツを、
ブックデザイナー(装幀家)の知恵と工夫で、
世界観をより明確にし、

印刷加工会社がそのイメージを、
微細まで慎重に形にして、
今もなお、たいへんなアナログ作業で量産し、

読者となる人々のもとに届けるという、
人間くさい魅力は、AIには持ち得ない。

それを装幀家・菊地信義さんは、
「こさえる」と表現していました。

心に残ったフレーズはいくつもありますが、
弟子が師匠から、自分の仕事を
「死装束」と言われたくだり。

映画を見終わったあとに、
ランチしながら読もうと持参した本と、
ドキッとするほどリンクしていたことに、
小さなセレンディピティを感じました。

『つつんで、ひらいて』
1万5千冊もの本のブックデザインを
手がけてきた装幀家・菊地信義と、
本を作る人々の姿を、広瀬奈々子監督が、
2015年から3年間かけて完成させた
ドキュメンタリー作品。

金沢シネモンド
https://www.magichour.co.jp/tsutsunde/
3/7(土)〜3/13(金)10:15 @ シネモンド

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