【家訓】 客の流儀
普段は反面教師のシンボルともいえる
実父だが、たまに、とても良いことを言う。
実父だが、たまに、とても良いことを言う。
子供のころから、よく言われていたのが
「お金を払うからといって、自分を客と思うな!」
この言葉には二つの意味がある。
一つ目は、
食事をさせてもらう。
商品を買わせてもらう。
髪を切ってもらう。
美しいものを見せてもらう。
自分にできないことを
相手にしてもらっている。
・・・ということを忘れるな。という意味。
二つ目は、
今、この瞬間、自分は客であっても、
相手の人は、未来の自分や、家族、
親戚にとって大切なお客様かもしれない。
そのことを肝に銘じて、
恥ずかしくない行動をしろ。
・・・という意味。
子供の頃はよくわからなかったが、
この年になると、この言葉の意味が
ものすごく理解できる。
とくに二つ目の意味は、
ご縁という、点と点が繋がって、
大きな輪になり始めた頃から、
痛切に感じるようになった。
コーヒーショップの店員さんも、
駐車場の整備員さんも、
スーパーのレジ担当のひとも、
バスの運転手さんも、
どこかで繋がっていて、
大切なお客様の、大事な人かもしれない。
そう思うと、
大事にしなくてもいい人なんていないし、
気を遣わなくてもいい人なんていない。
肩身を狭くして生きろということではない。
自分がお客様を迎える立場でも、
自分が迎えられる立場でも、
同じ自分でいることが大切。。
それを自然体で出来る人こそが、
本物の接客のプロなのだと、私は思う。