• イギリスアンティークと コッツウォルズの暮らしのお話 

    Drawer Antiqueのささきひとみさんを
    お迎えして、英国アンティーク銀食器の歴史、
    見方、愉しみかたを学びました。

    金沢市東山にある町家「三味」を会場に、
    床の間に銀食器をディスプレイされ、

    幻の品種といわれる「いずみ」の和紅茶と、
    吉はしさんの和菓子のペアリングで
    welcome tea。

    イギリスから、ささき先生がお持ちくださった
    素朴なクッキーやバッテンバーグケーキと、
    スポードのブルーイタリアンのティーカップに入れた
    熱いミルクティと一緒に頂いている最中に、
    いきなり霰(アラレ)が降り、雷が鳴り響くという、
    ナチュラルな金沢演出が効いてました☺️
    .
    アンティークの銀食器には、
    「ビスケットウォーマー」と呼ばれる、
    暖炉の傍に置いてビスケットが
    冷めないようにする食器もあり、

    用途には日常感があるけど、
    デザインの豪華さは、
    まさにダウントンアビーの世界観。
    何よりも、主催なさっている先生方が
    とても愉しげで、「紅茶の時間」を
    心から愛してやまない想いが感じられ、
    伝えていることを自ら生きているって、
    素晴らしい、、、と感じる優雅なひとときでした。

    #ささきひとみ先生
    #イギリスアンティーク
    #金沢市
    #町家でティータイム
    #銀食器
    #コッツウォルズ
    #英国
    #竹松聡子先生
    #島田枝里先生

  • 第2期 11月 印象美な大人の表現力教室

    10月は台風で中止だったので、
    2か月ぶりの表現力教室でした。

    この2ヶ月を振り返ると、
    短いようでいろんな体験があり、
    日々は淡々と過ぎているようで、
    実はいろんな示唆に満ちていることに気づく。

    今回、紹介してもらった一冊のなかに
    アーサー・ウェイリー完訳の
    「源氏物語」がありました。

    ウェイリーは大英博物館に勤務しながら、
    そのかたわら独学で日本語をマスターし、
    この傑作を手がけ、

    刊行されるとたちまち大反響を呼び起こし、
    瞬く間に大ベストセラーとなり、
    紫式部による「源氏物語」が世界文学として
    広く知られるようになりました。

    1000年前の壮大な人間ドラマが、
    A・ウェイリーによる華麗な世界を経て、
    毬矢まりえ、森山恵姉妹によって
    新たな魅力をはなつ。

    その壮大な4部作を完読直後の人から
    溢れるような想いを聴けるのもまた、
    この教室の臨場感。

    10分かけて作る卵チャーハンで
    心が救われた話や、

    ◯良い執事の条件
    ◯ユーモアを生真面目に捉える面白み
    ◯共感すら許されない哀しみとは
    ◯他者の悩み相談への回答で人生を振り返る
    ◯食を通じた家族のコミュニケーション

    今月も、其々の個性が放たれる

    金曜の夜でした。

    そして日曜昼コースは、
    過去最少人数の3人で開催。
    こじんまりと、じっくりと、

    ◯美術館の愉しみかた
    ◯SNSの関わりかた
    ◯女性の魅力を創るもの
    ◯権力を振りかざした誘いのかわしかた
    ◯海外ドラマから学ぶ人間の成長
    ◯自分の蓋を開けることから生まれるもの

    広く、深く、
    自己開示して語り合う、
    本気の時間になりました。

    本来ならば、お酒の力を借りて
    語るような題材かもしれないけれど、
    素面で真面目に責任をもって表現することで、
    持論が磨かれていく。

    「 持論に不正解なし byわたし 」

    エンヌさんのおたのしみスイーツは、
    抹茶ジェラート、マロンクリーム、
    ショコラの競演。
    アグレさんに直接淹れていただいた
    コーヒーのペアリングも美味しすぎて、
    無意識に目を閉じて味わってしまいました。

    #印象美な大人の表現力教室
    #読書
    #来月が2019ファイナル
    #WORDROBE

  • プルーストを読む~失われた時を求めて

    フランス文学研究家の芳野まい先生を迎えての
    gamadan セミナーに参加しました。

    プルーストは1871-1922年に生きた作家で、
    いまの私と同年で他界したと知った時点で
    歴史的人物に一方的なシンパシーを
    感じてしまいました。

    晩年の10年間、密室に閉じ籠り、
    第一次世界対戦前後の社会の変化を
    見つめながら、この長篇小説の創造に
    取り組んだプルーストは、

    医者の家庭で生まれたブルジョワで、
    生涯、まともな職に就くこともなく、


    「何を題材にして自分らしさを表現するか」

    に悩みながら、20代の頃から短編や詩を書き、
    翻訳を試みたりしながら、
    オリジナリティを模索し続けたひと。

    まい先生のお話をうかがいながら、
    「時を失っていく」ことを諦められず、
    必死に自己探求しつづけていたのは
    プルースト本人だったのだと感じられ、

    まさにいま、同じ気持ちでいる私も
    「失われた時を求めて」を通して、
    切なる自己探求をしたくなりました。

    まい先生のお話のなかで、
    強く心に残った言葉は2つ。 .
    .
    「記憶のヒエラルキーの
    編集されていないもののなかに富があり、
    多幸感がある。」

    「プルーストの書いていることすべてが
    役割を持っている。」

    紡いだ言葉すべてに役割があるなんて、
    なんという素敵な賛辞だろうか。

    「プルーストは、
     この世界をどう見ていたのか」
    を感じたくなる、夢のような時間でした。
    金沢にお越しくださった芳野まい先生、
    企画してくださった店長の八木さん、
    同席させてくださったご学友の皆様、
    ありがとうございました!


    #プルースト
    #失われた時を求めて
    #芳野まい先生
    #探すという行為はクリエイション
    #ガマダンアカデミー
    #フランス文学

  • urushi to うるしと


    漆の雑貨と、器と、アクセサリーと、
    フランス菓子。

    兼六坂の中ほどにあるgartenで行われている、
    三連休だけの展示会。

    新進気鋭の若手作家さんによる作品の数々や、

    お菓子活動家を名乗る、
    フリーのパティシエールによる創作スイーツ。

    金沢のまちをのぞむ眺望、
    伸びやかなグリーン、
    明るい波動が心地よくて、

    二三味コーヒーをお代わりして
    つい長居してしまいました。
    garten(ガルテン)は、商業施設など、
    町の景観に関わる植栽を手掛る
    「株式会社 芸藝(うんげい)」の経営で、
    「工芸、植物、喫茶」という、
    三つのリラックスが集まる場所。

    営業日や時間は、気まぐれですが(笑)
    だからこそ、訪れた日の一期一会が嬉しい。

    「今日という日に出逢えた、人と空間、風景」

    その日の風や日差しにも、
    ご縁という導きを感じます。

    「Urushi to うるしと 」
    漆と暮らし、漆と彩る日々。

    .
    ◎期間 11月1日〜4日 11:00-18:00
    ◎場所 ギャラリーガルテン
    ●garten/ガルテン●
    〒920-0933 石川県金沢市東兼六町1−26

    #金沢市
    #garten
    #芸藝
    #工芸植物喫茶
    #akatsukiblue
    #atee
    #yukaku

  • 【丹後ちりめん】涙よりも美しく語る Robe Noire.

    葬儀の涙は哀しみだけではない。
    一昨年、父が他界したときに知ったこと。

    そこには、深い安堵、感謝、労い、愛があり、
    精一杯、今生(こんせ)を生きたひとの死は、
    えもいわれぬ温かさに充ちていました。

    また、自分自身が、

    遺族席に立ってみて、感じたことは、

    最期の節目とは、大切なひとが天に還る日を
    敬意をこめて見送ることであり、

    それは、勇敢に生きた魂の帰還を、

    天が労い、祝福する日でもあるということ。

    華美な装いはもちろん相応しくないけれど、
    人生において、最も格式高く装うことが、
    故人への感謝や、人生を敬う礼節に
    繋がるのではないだろうか。

    そんな気持ちになりました。

    一昨年、海の京都で、300年の歴史を誇る
    “丹後ちりめん”という美しい絹織物と
    出会いました。



    日本では、和装生地のイメージがありますが、
    欧米の世界的メゾンで愛されている、
    シルクジョーゼットは、もともと
    日本のちりめんから生まれたものだそうです。

    ■上質を極めたシンプルで美しい絹織物

    ■装飾を極限まで削ぎ落としたデザイン

    ■日本の卓越した縫製技術



    三位一体で創造するブラックフォーマル。
    それ以上の “日本らしさ” があるだろうか。

    そんな発想から、
    京都与謝野町、
    老舗機屋の宮眞さんのご協力をいただき、

    丹後ちりめんで、オーダーメイドの
    喪服ドレスを作るプロジェクトが生まれ、

    2019年には、シルクの裏地開発も進んでいます。

    左から、宮眞の宮崎社長、山添与謝野町長、
    coccinelle.洋裁師 星氏  デザイナー木場氏。
    葬儀の席では、遺族以外は洋服です。

    であるならば、着物を着ること以外で、
    和装文化を守る挑戦にも繋がるはず。

    いま、丹後ちりめんの生産は、
    最盛期の5%程度に落ち込んでいるそうです。
    技術はあっても、需要がなければ、
    作り続けることはできません。
    丹後の織物が廃れれば、
    日本の和服文化そのものも
    斜陽の一途を辿ります。
    涙よりも美しく語る、Robe Noire.
    一昨年3月に、日本の椿からご縁が繋がった、
    小さな印象美の種の萌芽。

    美しく想いを伝えるひとひらのドレスが、
    静寧な雪のごとく、

    金沢のお客様がたに届けられました。
    今後はcoccinelle.の定番として、
    丹後ちりめんのブラックフォーマルは、
    デザインや制作のディテールに改良を重ね、
    ますます進化していきます。

    #TangoNoirProject
    #海の京都
    #与謝野町
    #丹後ちりめん
    #宮眞
    #coccinelle.
    #EDWARDECRUS
    #WORDROBE
    #印象美®

  • 趣味のよさとは 



    旅には「非日常を愉しむもの」と、
    「日常の延長を愉しむもの」があるとしたら、
    私にとって、京都は後者。



    東京ほどビジネスに向かっておらず、
    オーナーの持論を形にした、
    自由で趣味的な店やホテルが
    暮らしの延長線上に存在する魅力を
    空いた時間に訪れる短い滞在で、
    ささやかに堪能する。


    「趣味がいい」というのは、
    「センスがいい」とか「感性が優れている」とは、
    ニュアンスが違う。

    生まれ育った環境が影響し、
    より差別的で、
    努力では補いきれず、
    マーケティングで分析しづらく、
    なによりも力んだ瞬間に
    ヒラリと遠のくもののように感じる。

    日常の延長に「趣味のいい」ものが
    密やかに、圧倒的に、
    新旧問わず存在する京都は、
    金沢から電車で二時間ちょっとのオアシス。

    今回もじんわりしたので、
    そろそろ帰りましょう。

    #好きに集中する休日
    #京都