• さくらの流し舟 ~ 旧大聖寺川

    旧大聖寺川の流し舟。
    素朴な風景をのどかに愉しむ昼下がり。
    船頭さんが地域に伝わる民謡を一節。


    あとは、鳥の声、水の音、船上のおしゃべりだけが響く川面。

  • 百の頂(いただき)があれば、百の喜びあり

    ■百の頂(いただき)があれば、百の喜びあり■

    この人生にも通じる名言は、
    『日本百名山』の著者で、カメラマンで、
    俳人でもある、深田久弥氏のことば。

    初めて訪れた山の文化館のエントランスには
    樹齢650年の巨大な銀杏の大木が
    そびえていました。

    ここは山長織物会社の跡地を利用していて、
    明治~昭和にかけて栄華を誇った、
    繊維業の輝かしい歴史と、
    深田久弥氏の資料館の両面で、
    興味を充たせる場所。
    大聖寺川が近いこともあり、川が増水しても、
    蔵の高価な羽二重に被害が及ばないように、
    驚くほど堅牢で緻密な蔵の扉が
    設置されていて、そのなかには今、
    深田久弥の貴重な資料が、
    丁寧に保管展示されていました。
    山荘をイメージした喫茶店で
    コーヒーをいただき、

    特別展示の影絵アートの繊細さに驚き、
    ふらり立ち寄った場所は、
    思いがけない感動に充ち溢れていました。

    緑でいっぱいになる5月の再訪を誓い、
    閉館時間を名残惜しみながら、
    文化館を後にしたのでした。

  • 4月朔日 ~ 朝陽の影の美しさ

    朝陽の影の美しさ

    冬の間は雪に閉ざされ日照もなく、
    影を見ることがなかった金沢。

    2月に東京へ行った時、
    強い冬の日差しと、
    コンクリートの道に映る濃い影という
    自然現象に久しぶりに再会し感激しました。

    暖房器具や煌々と光る照明のある現代ですら、
    厳しい冬のあとの春は嬉しく、
    影にすら感動するのに、

    昔の人々は、すきま風の入る冷たい家で、
    食事も、暖も満足に得られない冬をすごし、

    春の訪れの喜びは、
    いかばかりだっただろうか。

    4月朔日
    鳥のさえずりや、影の芸術に、
    愛しさを感じる朝。

  • 花知一様春(はなはしる いちようのはる)

    花知一様春(はなはしる いちようのはる)

    花が咲いて春となり、
    月が出て明月の秋となる。

    自らがそこに在ることによって、
    ことがピタリと決まる。

    時節をわきまえ、無心のうちに、
    しかも常に主人公である。

    この街にすむひとびともまた然り。

    『自然体で生きる』ことを
    肩の力を抜いて頑張らないことのように
    捉えがちですが、

    自然はいつだって、
    地に根を張り、
    太陽に向かって枝葉を伸ばし、
    どんな環境であっても一生懸命に、

    百花繚乱の春の出演者として、
    無心な主人公として、
    生きている。

    新年度の始まり、
    自然に、美しき人生を謳歌し、
    憧れを生きる皆さまの一年を、
    心から祝福いたします。

    株式会社WORDROBE
    印象美®プロデューサー 小西 敦子