• 旅人に余韻を贈る

    ルコントのパウンドケーキ

    昨日、出張先の東京で従妹と食事した帰り際、
    彼女がさりげなく手渡してくれた東京土産

    クリスマス・カラーのドライフルーツ
    宝石箱のような華やかさ

    驚くほど上質な素材がぎっしりの豊かな味、

    視覚と味覚,
    両方を考えた素敵な贈り物

    ガラスのツリーと並べると気持ちが華やぎ、
    東京のキラキラした空気を思い出すのです

    旅人に余韻を贈る。

    質の高い甘みとともに、ふと考える。

    帰る客人に対し、
    半紙に包んだお菓子を渡す金沢の風習も、
    そんな余韻の贈り物なのかもしれない。

    この楽しい時間をお菓子とともにお持ち帰りください。

    大事にしなければならない風習を、
    静岡育ちの従妹に思い出させて貰う。

    そういえば、彼女の父母は金沢の人だ。

    親の美しい行動とDNAは
    子にも連綿と伝わるのですね。

  • 無財の七施 

    私は『印象美』という概念を、
    日々ことばを重ねて伝えているけれどを、
    もはやこの一言で説明できてしまうことに
    衝撃を受けました。
    『無財の七施』
    有名な言葉なので、
    これまでにも聞いていたのかもしれないけれど
    心に届いたのはこれが初めて。

    人と、言葉は、遅すぎず、早すぎず
    絶妙なタイミングで出会うものだと思う。

    「施」は文字通り、施しを行うこと。
    いわゆる、お布施(ふせ)。

    仏教における施しには3種類あり、

    1.財物をほどこす
    2.精神的・心をほどこす
    3.法施

    財物とは文字通り、物質になります。
    お金であったり、物であったりします。

    これまで、施すとはその意味を指すと
    思っていましたが、
    精神や心も施すことになるのですね。

    無財の七施とは、

    1.眼施(がんせ)

    ・・・やさしいまなざし。

    2.和顔施(わげんせ)

    ・・・にこやかな顔。 微笑んだやさしい顔つき。

    3.愛語施(あいごせ)

    ・・・やさしく、思いやりのある言葉使い。

    4.身施(しんせ)

    ・・・自分の体を使って他人のために動くこと。奉仕。

    5.心施(しんせ)

    ・・・他人のために気配りをしたり、
    喜びを共有する(随喜)こと。

    6.床座施(しょうざせ)

    ・・・席を譲ること。または自分の地位ですら
    後進や相手に譲ってしまう心。

    7.房舎施(ぼうしゃせ)
    ・・・雨風をしのげる施しをすること。

    施す=恵む ではなく、『よろこんでもらうこと』

    今日も小さな施しを実践できる一日になりますように。

  • 時間と手間と心を尽くす美徳

    心を動かすおもてなしとは、
    お金をかければよいというものではない。
    今日、私が司会を担当した披露宴、
    新婦父が竹トンボ協会の活動をしていることもあり、
    お父様とそのお仲間が、参列者全員分の竹トンボを
    一つ一つ、心を込めて作ってこられました。

    新婦父による遊び方のミニレクチャーに盛り上り、
    老いも若きも、会場中に

    『早く飛ばしたい!!!!!』

    のワクワクが広がった。

    一方、新郎の母は自然栽培の野菜作りが趣味。

    肉料理の付け合わせ用野菜を今日の日のために、
    一生懸命に栽培してくださった。

    8月から種付けし、色彩豊かな数種類の野菜を、
    今日にあわせて旬を迎えさせるため、
    日々、心を尽くして世話をしたそうです。

    人の心に響くおもてなしというのは、

    いかに時間と手間と心を込めたか。

    なのだと、改めて感じた。

    『わたしのために、そこまでしてくださった』

    という価値観。

    感謝の想いを伝えるために、
    自分のできることで精いっぱい、
    時間と、手間と、心を尽くすことをいとわない。

    そんな親御さんのもとに育ったお二人は、
    きっと優しくて温かい家庭を築き、

    素敵な教養人を育てるに違いない。