自信がない、と言えるしあわせ

ここ数年『自信がないんです』
と、言葉に出して言う人に、
よく会うようになりました。

それ以前は、聴いたことのない台詞。

私も言葉にしたことがないし、
声にしている人に会ったこともない。

自信があるから言わないのではなく、

仕事で『自信がない』と言ってしまったら、
金輪際、仕事が来なくなるからです。

自信がない大工さんに
家を建ててもらいたい施主はおらず、

自信がない美容師に
髪を切って貰いたい顧客はおらず、

自信がない司会者に、
大切な披露宴を任せたい新郎新婦も
いません。

自信がなくとも、あるように振る舞い、

依頼主の想像を上回るクリエイションを、
生み出すひとが、プロフェッショナルだから。
『自信がない』と言えば、
誰かが『大丈夫!』と言ってくれるだろうけど、

それは鎮痛剤みたいなもので、
一時的には効くけど根治はしない。

鎮痛剤に依存すると、身近なひとからの
承認では効かなくなり、

遠路はるばる高名で強力な鎮痛剤を求めて
大枚をはたく羽目に陥ることも。

大人は根拠なき自信は持てないものです。

自信がなくても自信があるように振る舞い、
実績と成果をコツコツ重ねて、
自信を確信に変えるしか方法はない。

『自信がない』と言葉にしたら、
誰よりも自分自身がその言葉に反応し、

『自信がない』刷り込みが、
振る舞いや、表情まで、言葉どおりに
なってしまいます。

だから、自信がなくて
気持ちが折れそうになったら、
鏡に向かって言って欲しい。

『 まだ自信はないけど、私は大丈夫!』

潜在意識は後半の言葉をとらえて、
『大丈夫!』に導いてくれるはず。

何よりも考えてみて欲しい。

『自信がない』と率直に言葉にしても、
許される環境で生きてきた幸せを。

守ってくれる人や、
信じてくれる人や、
承認してくれる人がいたから、

『自信がない』と、心のままに、
素直に言葉にできるのではないですか。

『自信がない』と、声にだせる人は
守られて幸せに生きてきた、
運のいい人なんだな。と私は思う。

だけど、もし今、
守らねばならない側にいるのなら、
『 自信がない 』を封印し、

自信があるように振る舞う生き方を
身につける時期なのではないでしょうか。