白のままでは生きられない~志村ふくみ

忙しさに気持ちが渇くとき、
ページを開きたくなるのが、

染織作家の志村ふくみさんの著書。


色彩という視覚を、聴覚や嗅覚、触覚で
表現する志村さんの深みに
今日も心の根っこが癒されました。

私は二十歳の振り袖も銀鼠色を選ぶほど、
昔から鼠色が好きな娘でしたが、

今も身の回りを見渡すと、鼠色がいっぱい。

鼠色の懐の深い、控えめで多様な美しさに、
狭量の私はずっと憧れ続けているのかも知れない。
私の今日の気持ちが立ち止まったのは、

『 鼠~無の色 』の頁。

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鼠色ほど己を無にして
他の色を生かす色は他にはない。

(中略)

鼠色の持つ控えめな許容量のある豊かさは、
我々現代人を包み込む懐の深さを感じさせ、
内面性のある色として愛されているのである。

音階でいえば半音階である。

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2018年の冬、金沢は大雪で無彩色の世界でした。