傾聴に囚われている若者たちへ

「この前のアドバイスのおかげで、
お客様とラクに話せるようになりました」

先日、いつもの美容室で、
20代の男性スタイリストさんから

そう言われました。

「は?わたし、何言ったっけ??」

ああ、そうそう、話をする中で、
前回の会話が蘇ってきた。

彼のお悩みは、
「初対面のお客さんと、
いったい何を話せばいいのかわからない」
というようなこと。

私はその時、
「相手の話を聴かなきゃ!と気負わず、
自分の話をすればいいんじゃないの?」
と言ったはず。

なぜなら私自身、
「休日はなにしているんですか?」
「スキーとかスノボとか、なさるんですか?」
「最近、映画観ましたか?」
・・・というようなことを、

初対面の相手からあれこれ訊かれるのが
とても苦手だから。

20代が、40代の休日の過ごし方に
本気で興味があるとは思いがたいし、

なによりも私自身、
人様に語るほどの休日の過ごし方など

していないし、
スキーもスノボもしないし、
映画も最近見てないし、

なんだか語るほどのものがないゆえに、
「別に」「しないけど」「忙しくて」
と、マイナスな回答する自分が残念すぎて
自己嫌悪になる。。

だから、
「先日僕は、〇〇っていう映画観て

感動したんですが、
最近、映画ご覧になりましたか?」

って、まず自己開示してから質問してくれたら、
「 私は最近、観てないんだけど、

〇〇ってどんな映画?」
と、プラスで返せるので気持ちがラクになるよ。

というようなことを言ったはず。

初対面の相手には
まずは自分から自己開示する。

自分のことを色々話すうちに
共感ポイントを見つけて、
相手も自分を開示してくれる。

そんな何気ない会話を覚えていてくれて、
実践してくれて、
成果を報告してくれたことが、
なんだか嬉しかった。

今日の彼は饒舌で、
高校時代に演劇部に所属していて、
仲代達也さんから指導を受けた話や、

最近、仲間と悩んだことなど
20代らしい初々しさで、
楽しげに話してくれて
それがとても新鮮で、
聴いていて心が和んだ。

無理して相手の話を聴こうとしないで、
まずは自分のことを話してみたら?

自分は何を考え、何を悩み、
何に夢中になっているのか?

まず自分に質問してから、

相手に質問する。

そんな日々の習慣の繰り返しが、
コミュニケーション上手になるための、
素朴な始まりなのではないかな。
と、私は思います。