人生最後の読書

実家で寛いでいて、ふと思った。

『 父は人生の最後に、
どんな本を読んでいたのかな 』

母に訊ねたら、
ピアノの上におかれた二冊の本を
手渡されました。
一冊は『歎異抄をひらく』
高森顕徹さんの書。

奇しくも今、私も五木寛之さんの
『私約 歎異抄』を読んでいて、
何だか父に導かれたような気持ちに
なりました。

同じ『歎異抄』に関わる本でも、
父の選んだ一冊のほうが、より正統派で、
私の目には、自由すぎる父に
見えていたけれど、
意外に(失礼ながら・笑)、
真面目で王道を愛する人だったのかも。

もう一冊は『童謡唱歌』

栞が挟まれていたページは、
『小鳥のように』というドイツ民謡でした。

そういえば、よくダミ声で
童謡を口づさんでいたことを思い出し、
意外に(失礼の二乗)、
ロマンティストだったのかも。
と、懐かしさに包まれた。


お墓参りでは、
お経よりも童謡を唄ってほしいのかな。

なんて思いながら、
ピアノを習わされたのに、
楽譜がよめない娘は、
鼻唄も唄えないことに気づき、
『ごめんね』と呟きながら、
仏壇に手を合わせたのでした。

一周忌までには、
唄えるようにがんばります(笑)