プルーストを読む~失われた時を求めて

フランス文学研究家の芳野まい先生を迎えての
gamadan セミナーに参加しました。

プルーストは1871-1922年に生きた作家で、
いまの私と同年で他界したと知った時点で
歴史的人物に一方的なシンパシーを
感じてしまいました。

晩年の10年間、密室に閉じ籠り、
第一次世界対戦前後の社会の変化を
見つめながら、この長篇小説の創造に
取り組んだプルーストは、

医者の家庭で生まれたブルジョワで、
生涯、まともな職に就くこともなく、


「何を題材にして自分らしさを表現するか」

に悩みながら、20代の頃から短編や詩を書き、
翻訳を試みたりしながら、
オリジナリティを模索し続けたひと。

まい先生のお話をうかがいながら、
「時を失っていく」ことを諦められず、
必死に自己探求しつづけていたのは
プルースト本人だったのだと感じられ、

まさにいま、同じ気持ちでいる私も
「失われた時を求めて」を通して、
切なる自己探求をしたくなりました。

まい先生のお話のなかで、
強く心に残った言葉は2つ。 .
.
「記憶のヒエラルキーの
編集されていないもののなかに富があり、
多幸感がある。」

「プルーストの書いていることすべてが
役割を持っている。」

紡いだ言葉すべてに役割があるなんて、
なんという素敵な賛辞だろうか。

「プルーストは、
 この世界をどう見ていたのか」
を感じたくなる、夢のような時間でした。
金沢にお越しくださった芳野まい先生、
企画してくださった店長の八木さん、
同席させてくださったご学友の皆様、
ありがとうございました!


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