ピープルデザインで、 意識をクリエイティブに壊していく

『 超福祉 』を目指して活動なさっている、

ピープルデザイン研究所 代表理事 須藤シンジさんの
講演会(UDIシンポジウム2018)に行ってきました。
須藤さんの印象を一言で表現すると、
『なぜ、私は生まれてきたのか』という、
人間にとっての究極の問いの答えを見つけて、
その実現ために、命の時間を注いでいる人。

ファッションやデザイン、エンターテイメントや
スポーツといったコンテンツを手段に、
福祉事業を、モノづくり、コトづくり、
マチづくり、シゴトづくりにまで
有機的に機能させ、福祉の常識を覆していく。
その目的は、マイノリティもマジョリティも
すべての人が混じりあう社会の実現。
須藤さんの前職は大手流通企業のサラリーマン。
ご次男が脳性麻痺で出生したことを機に、
障害児の親として、現行の福祉の世界における
当事者となりました。
そこから引き起こされた、さまざまな感情が、
2000年に独立し、独自の能動的な活動を、
し続けてこられた原点。

「意識をデザインする仕事」というタイトルの著者。
障害者も健常者が共に履けるカッコいい靴づくりや、
視覚障害者と一緒に観れる映画づくり、
世界のトップクリエイターや、行政、企業と連携し、
『ピープルデザイン』という、新しい価値を
全力でつくりだしてきた須藤さんの、
人生の軌跡が記されています。
須藤さんの、ことばが迸る(ほとばしる)
情熱的な話し方を聴いていて感じたのは、
『 須藤さんという人は、この20年間、
自分の想いを理解してもらうために、
どれほどの言葉を、どれほどの熱量で、
どれほど大勢の人たちに、
伝え続けてきたのだろう 』
そのなかで、何度も何度も言葉を練りあげ、
アプローチを工夫し、練度を高め、
自らの意識すらもクリエイティブに、
壊し続けてこられたのではないだろうか。
誠に僭越ながら、
もし須藤さんと私に共通点があるならば、
『シビックプライド civic pride』
という言葉に集約されているように思います。
『シビックプライド』を高め、
そこから生まれるものを、living tomorrowの
都市の価値にしていきたいと、改めて、深く、強く、
感じることができた一日でした。
~~~~~~~~ 著者より抜粋 ~~~~~~~
『シビックプライド』とは、
都市やマチに対する誇りや愛情のことだが、
いわゆる『郷土愛』と少しニュアンスが違うのは、
ただ単に自分の故郷が好きというだけでなく、
自分自身がそのマチを構成する一員であると自覚し、
マチをよりよい場所にするための取り組みに
積極的に関わろうという、
当事者意識をともなう点にある。
また、生まれ育った人だけではなく、
そのマチを気に入り、
そこに集う様々な人が対象となる。
住む人、働く人、学び人、遊ぶ人、
どんなかたちであれ、かかわる人が
マチに誇りと当事者意識を持つ、
それが、シビックプライドである。
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シンポジウムを主催してくださいました、
ユニバーサルデザインいしかわの皆様、
素晴らしい機会をありがとうございました。
2018年6月9日開催
ピープルデザインで拓く、新たな市場と価値創造
-社会背景と時代のニーズを捉えた企業戦略とは-

■講師| 須藤シンジ 氏
有限会社ネクスタイドエボリューション 代表取締役社長
NPO法人ピープルデザイン研究所 代表理事