ツイン・ジュエリー

並んでいるのは、母親が35年前に、
友と一緒に宝石にこころ奪われた
夢の時間であり、ノスタルジックな記憶。

『生きているうちに形見分けしておくね』
と、実母と、母の旧友から共に贈られたのは、
同じデザイナーのジュエリーでした。


きっと、『ちょっとだけ冷やかしに行こう』
と、連れだって宝石店に出掛けて、
二人一緒に、鑑定書とジュエリーケースを
抱えて帰ってきたのだろう。
そんな想像をすると愛しさがこみあげてくる。

きっと、プライスは内緒にしたであろう、
二人の伴侶はともに旅立ちましたが、

こうして仲良く並んだジュエリーを見ると、
まだ中学生だった私の目に映る、
母達の姿が思い出されます。

今の私より若い。
そう、二人とも女盛りだったんだね。

大好きな母たち。いまの二人。