わかりやすい言葉で伝える


ある日の披露宴、新郎の職場上司のスピーチ

新郎は建築事務所に勤める建築士。

上司は、そんな彼のアピール力の高さを
参列者に伝えるため
プレゼン時のエピソードを話しました。

プレゼン、クライアント、コンペ、入札

この4つの言葉、
社会人ならだれでも解るはず・・・

一般的には、そういう思い込みのもと
スピーチでは解説されないことが圧倒的に多い。

しかし、その上司はこう説明しました。

コンペとは
総予算が採用条件の入札とは違って、
その企画がいかに素晴らしく、
優れているか?が採用基準になります。

ゆえに依頼者であるクライアントに、
わが社の企画の魅力を強くアピールし、
説得するプレゼンテーション力が
重要になってくるのです。

その点、彼は・・・・と繋げて本題。

場所は披露宴会場。

ご高齢の参列者にもわかるように。
という配慮から、
その説明を付け加えたのだと思う。

でも、この説明は
単にわかりやすいだけではない。

もう一つの、
素晴らしい効果を生むのです。

それは、

聴き手の脳内に舞台を作る
・・・という効果。

本題に入る前に、
舞台となる状況をイメージすると
その後の話に具体性と躍動感が生まれます。

つまり、事前の説明によって、
新郎がクライアントに
熱っぽくアピールしている様子が
より臨場感を持って、
聴き手の想像力に働きかける効果です。

スピーチはライブ。

編集がきかない生放送

聴き手の脳内で
スムーズな映像が映し出され
エンディングには、
会場が一体となって感動する。

それが最高のスピーチ・パフォーマンス。


でもこれは
企業のプレゼンテーションも同じだろう。

聴く側にとって わかりやすい言葉で伝える。

その上司のプレゼンはきっと素晴らしいのだろうな。
と、 大きな拍手を贈りながら想像したのでした。